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2007年02月21日(水)
ユメノアト。





「貴女は、例えば、足に手を触れてるとか、
 腕枕をしてくれるとか、
 お腹にちょっと手を乗せてるとか、
 少しでも肌が触れていれば安心できるんだろうね。
 人の、温もりと愛情に飢えているものね。」


バーのマスターがそう言い終えて、笑う。


「そうですね。でも、腕枕をして欲しいとか、
 抱きしめていて欲しいとか、そういうんじゃなくて、
 ただ、手を繋いで眠ってくれればそれでいいかな。
 目が覚めた時に離れていても構わないから。」


マスターに真っ直ぐ言い終え、同じく笑う。


目の前で柔らかなキャンドルの火が揺れ、
お気に入りの紅いカクテルがキラキラと輝き、
その向こう側で父親のようなマスターが微笑む。


そんな風に朝を待つ日もある。