T字路にぶつかり右折すると、いよいよ大佐渡スカイラインへの上りとなる。雲行きが怪しいのでバッグにレインカバーをつけて、雨装備で上りだした。最初は勾配も緩や。遠くに「道遊の割戸」という大きな岩が割れているのが見える。↑ 前方には道遊の割戸が見える少し走ると、有名な観光スポット、佐渡金山にやってきた。寄ってみてもよかったのだけど、今回はヒルクライムで相当時間がかかることが予想され、残りの距離、今の服装、気分などからパスすることにした。↑ 有名な観光スポット佐渡金山佐渡金山を過ぎたあたりから勾配がやばくなりだした。奥の駐車場の辺りですでに15%くらいの坂になり、道幅の広さでごまかされているが、これは相当きつい。いきなりこれだから先が思いやられる。駐車場を過ぎて観光スポットの雰囲気がすっかりなくなって林道のような道になると、いよいよ大佐渡スカイラインの本性が現れてきた。思わず笑ってしまうほどの激坂がどこまでも続く。↑ やばい急勾配が続くとくかくきつすぎて写真を撮る余裕は全然なかった。かろうじて大きく回るカーブのことろで数枚撮ったけど、本当にきついところでは止まれないので撮れない。(止まると再発進できない)↑ 途中で何度もくじけそうになるしばらくがんばって上り続けては、少し勾配が緩くなったところで立ち止まって小休憩…というのを繰り返しながら上っていった。途中で何度もくじけそうになるが、そこを何とか踏ん張って、とにかく上りきることを目標にがんばって上り続けた。ある程度の飲み物は携帯しているつもりだったが、予想以上に汗で水分が流れていき、ドリンクの消費が激しい。途中で飲み物が尽きるのも時間の問題だった。仲間と励まし合いながら上るグループランとは違い、ソロのヒルクライムはひたすら自分との戦いだ。諦めて楽をしたい自分とがんばって前へ進みたい自分との壮絶なバトルが、頭の中で繰り広げられている……のかもしれない。かなりがんばって走ってきているはずだが、なかなか距離が延びない。地図上ではあまり進んでいないのだ。S720iの標高表示はとても励みになるが、最高地点の約950mにほど遠いことがわかる。かなりの時間をかけてヘロヘロになりながら上っていると、ようやく景色が開けているところにやってきた。それまでは木々に囲まれていて展望ゼロの道が続いていた。↑ 気がついたらいつの間にかこんなところまでそこで、スタート地点では遠く、それも高いところに見えた道遊の割戸がはるか下に小さく見えているのに気がついた。いつの間にか、もうこんなに上ってきたのか。そう思うと嬉しくなってきた。↑ 急勾配はどこまでも続く中盤になっても相変わらず急勾配が続くが、序盤のあり得ないような激坂に比べると、だいぶ勾配が緩い区間が多くなってきている。思うに、自転車乗りにとっては、佐渡金山から最初の5kmくらいが一つの関門なのではないか。↑ 景色が開けたしばらく進むと道が九十九折りになり、景色がより開けてきた。あいにく天気は曇りで遠くまで見渡せなかったが、雨が降っていないだけましだろう。途中でも少しぱらついたくらいで、本格的にはまだ降られていない。↑ TZ3の望遠で撮影…下界は雨かなさらに上っていくと、佐渡の両方の湾を一望できるカーブにやってきた。こうしてみると、佐渡はずいぶん小さいなぁと思う。(翌日、この区間(真野湾〜両津港)が非常に長く感じるのだが…)↑ 左は両津湾、右は真野湾さらに標高を稼いでいくと、だいぶ気温が低くなってきて、辺りには霧が立ち籠めてきた。そして、展望台に到着した。天気がよければ本州の新潟の山々まで見えるそうだが、あいにくの霧で視界ゼロ。去年のしらびそ峠も霧で視界ゼロだったし、晴れれば最高の景色というところで霧に覆われる機会が多いなぁ。まぁ天気のことはどうこう言ってもしょうがないのだけど。↑ 晴れていれば眺めが最高らしいが…展望台からはいったん少し下ってからまた上りになり、ここらで飲み物が完全に切れた。しばらく上っていくと、大佐渡スカイラインの最高地点にやってきた。↑ 大佐渡スカイライン最高点到着!白雲台からは下りになるが、下る前に息を整えて小休憩。工事をしていて、トラックなどの工事車両が頻繁に往復していたのが気になった。↑ 白雲台からは下りになる相川側とはうって変わって、両津港の辺りはきれいな青空が広がっていた。この晴れ間も、そのうち相川側へ流れていくとすると、坂を下って再度相川の辺りを走る頃には天気がいいかもしれない。↑ 両津港の辺りは晴れているそしてR350側へ下り始めた。マップルには「細かい溝のあるコンクリート路面が続く」という記載があったが、さほど気にしていなかった。走れないことはないだろう……と。↑ ここから地獄の下りが始まったしかし、実際の路面は想像を遙かに超える悪条件だった。大きな凹凸のある路面が途切れなく続き、しかもこちらもあり得ないほどの急勾配。下ると凄まじい振動が絶え間なく続く。激しい振動により、ハンドルやブレーキを握る手が痲痺してきて、まともにブレーキがかけられない。しかしブレーキをかけないとカーブを曲がりきれず、トラックに突っ込むことになりかねない。ロードやパーツの振動耐久試験をしているのかと思うほどの凄まじい振動が続き、神経も使うし体も休まらないしスピードも出せない。せっかく海から1000m近く激坂を上ってきたというのに、下りを楽しめず、むしろ下りの方が辛いという状況だ。↑ この路面と急勾配はありえないこの路面の事を知っていたら、間違いなくこちら側へ下ろうとは思わなかっただろう。間違ってこちら側から上ろうとしていたら、途中で挫折して引き返していたと思う。死ぬ思いをしながらなんとか坂を下りきると、R350に出た。ここを南下して、真野湾を目指す。佐渡の中心を通るこのR350は、市街地が続く主要道路だ。真野湾が近くなってきた辺りにあるセーブオンにて休憩。↑ コンビニはオアシス真野湾に出ると、昼に走った道を再び走る。もうだいぶ日が傾いている。雨雲は遠くにいってしまい、穏やかな空が広がっていた。今日は海沿いをもう一走りする。↑ 今日2回目の真野湾沿い県道45号を進み、相川へのショートカットの道ではなく、今度は七浦海岸を目指す。大佐渡スカイラインで使い果たした疲労しきった脚でヘロヘロだったが、ヘロヘロなりに力を出して走って行った。↑ 日本海に沈む夕日は美しい七浦海岸にやってくると、日本海に沈む夕日がいい感じ。辺りは穏やかな夕日の光に包まれ、穏やかな時間が流れていた。心地よい風を感じながら、光の芸術を横目に走り続けた。↑ 夫婦岩と日本海に沈む夕日この日本海に沈む夕日の景色がとても素晴らしく、そしてその景色と共に流れる時間や風が気持ちよく、この時間がこの旅で一番有意義な時間だった。大佐渡スカイラインで死ぬほどきつかったけど、この素晴らしい時間を過ごせたことで、気持ちよく一日を締めることができた。↑ 辺りは静かな時間が流れていたもう18時を回っていたが、辺りはまだライトを付けなくても走っていけるほど明るかった。まだ夏は終わっていないなと思った。相川の町に入ると少し市街地になった。↑ 日が沈んだ後のきれいな空この日泊まる予定の旅館の前で、日が沈んだ後の美しい空を見上げた。家でゴロゴロしていたら、この景色も見ることができなかった。旅に出てよかったと思った。この日泊まった「ホテルみやこ」は前日に続いてずいぶんと古そうな旅館だったけど、サバサバして感じのいい女将さんの対応がよく、夕食も予想に反して豪華で、料金も安く、いい意味で裏切られた。宿によって、ほんといろいろありますな。この日は大佐渡スカイラインを上って100km走ったので(しかも荷物のリュックを背負ったまま)、かなり疲れた。でもいい経験ときれいな景色が見れてよかった。翌日は相変わらず雨の予報だったけど、外れて晴れることを祈りつつ、就寝した。走行日:2007/08/30出発:8:32 帰宅:18:40走行距離:103.4km走行時間:6h 33m 39s平均速度:15.9km/h最高速度:50.6km/h上昇距離:1545m温度(最低/平均/最高):20℃/25℃/33℃積算距離:16955km(ロード)
↑ 前方には道遊の割戸が見える
↑ 有名な観光スポット佐渡金山
↑ やばい急勾配が続く
↑ 途中で何度もくじけそうになる
↑ 気がついたらいつの間にかこんなところまで
↑ 急勾配はどこまでも続く
↑ 景色が開けた
↑ TZ3の望遠で撮影…下界は雨かな
↑ 左は両津湾、右は真野湾
↑ 晴れていれば眺めが最高らしいが…
↑ 大佐渡スカイライン最高点到着!
↑ 白雲台からは下りになる
↑ 両津港の辺りは晴れている
↑ ここから地獄の下りが始まった
↑ この路面と急勾配はありえない
↑ コンビニはオアシス
↑ 今日2回目の真野湾沿い
↑ 日本海に沈む夕日は美しい
↑ 夫婦岩と日本海に沈む夕日
↑ 辺りは静かな時間が流れていた
↑ 日が沈んだ後のきれいな空