このところ、業界のパーティっぽいものに参加する機会が少しありました。上司が非常にできた人なので、見聞を広げてこいと若手にそういうものを回してくれます。ただ、偉い方だらけの中に急にヒラ丸出しが紛れ込んだところで、お話を怖れ入りながら傾聴しておしまいなのですが。
そういうキラキラの会場の中で、似たようなオーラを放っている同年代の男性と名刺交換しました。上司に来た招待状を回されたのも同じ。美味いもんでも食って来いの一言で送り出されたのも同じ。何から話せばいいかで内心頭を抱えているのも同じ。
ずっと実験一辺倒の部門にいたものが、そろそろ渉外に回されそうだと言っていたので、思わず『それはお辛いでしょう』と返してしまったら、ほっとしたような顔でこう言われました。
「一日中ずっと機械に向かってる限りは、ぜったいストレス溜まんないんですよ」
ルーチンワークの固定化している実験者は、たたみ二畳分くらいのスペースで勤務時間中の生活が完結していることも珍しくありません。
「外からお客さんとかがやってきて、相手しなきゃいけなくなると、すげーペース乱されるんですよね。落ち着かなくて嫌だ」
あー、なるほど、それでか。と、思いました。 どれだけ好きな仕事でも、ずっとし続けていれば、いつかは飽きます。飽きたのに無理やりやっていたら、しまいにはうんざりして嫌いになります。
好きだからといって、ある一つのものしかなくなっていた人が、その肝心なものにうんざりしてしまったら、その人はその好きなものを見つける前よりも、ずっと空っぽな人間になってしまうんじゃないでしょうか。
上司という立場の人々は、だから下のものに色んなことをやらせようとするんだな、と、ぼんやりと自分に招待状を回してくれた意図を悟った次第です。
拍手レス
きねづかさん> お返事遅くなりました(汗 いやいやそんな、真剣にご感想くださっただけで、ほんとうに申し訳ないというか何というか。わざわざありがとうございます。参考になりました〜。 お話を伺って考え込んでみたのですが、そもそもこの長さに対して詰め込もうとしたものが単純に多すぎだった気がします。前半部分は昔話そのものだからと、思い切りよくぶった切ってしまいましたが、よく考えるとそのいきさつの中で背景や二人の感情を丁寧に描写していくことで、読み手は登場人物の気持ちが実感できるわけですよね。サボらずきちんと、ストーリーを追って見せること。そのためには枚数をケチっちゃいけないです。うう、何と初歩的な……。 ご感想をしっかり身にして、次につなげていきたいと思います。ありがとうございました!
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