ちょうどメールで「FACET」のうまむーさんから、『うちの現場に来てもいいですよ』とのお誘いをいただいたので、いただいたメールをもとに再構成してみました。
〜訪問記〜
(イメージ画像:ほどよく雑然とした撮影所の廊下。ジュリオとクラリスが歩いている。ジュリオはウォレットチェーンの下がったパンツにノータイのワイシャツ、クラリスは秋色のカットソーにジーンズとか)
クラリス(K):勝手に出てきちゃって、あとで怒られないかなあ。 ジュリオ(J):大丈夫大丈夫、ちょっと挨拶しにいくだけだし、すぐ戻ればそもそも気づかれないって。FACETプロさんの現場は近いし、撮影はセットばっかりだし。 K:そこには特に近づかないようにって言われたような気がするんだけど……。 J:(笑いつつ)まあダンチョーならそう言うだろうけどさ。よ、ここだ、と。(ノック。扉には『真鍋英一朗様 控え室』の張り紙が) (扉の内側から):はい。 J:虫捕りプロの者でーす。見学に参りましたー。 真鍋英一朗(M):やあ、いらっしゃい。(戸を開ける)
(出てきた英一朗が満面の笑顔。鍛え抜かれた体、日焼けした肌、ばっちり決まったオーデトワレ。そして何故か着ているのがバスローブ)
(開けた扉をそのまま閉めるジュリオ)
J:(青ざめた顔でくるりと振り返って)帰ろう。 K:え? なに、どうしたの、ジュリオさん。(一瞬だったのでよく見えなかったらしい) J:中に変態が入ってる。見るな。帰るぞ。 K:急に帰ったら失礼なんじゃ……。 M:(無理やり中から扉を押して出てくる)本当に失礼だな、君は。ひとの顔を見るなり閉めるとはどういうことだ。 J:(半泣き)やかましい!! 俺ですらも危機感を覚えたわ!! K:(体半分ジュリオに隠れた状態で)あ、こんにちわ。初めまして。虫捕りのクラリスと申します。よろしくお願いしまーす。(礼) M:はい、こんにちわ。(こちらも礼) 最近頑張ってるみたいだね。よく噂を聞きますよ。 K:ありがとうございます、まだ色々慣れてないん……。……すごい格好ですねー……。 M:(まだ扉を押し返しながら、鷹揚に笑う)レディの前で失礼しますよ。ちょっと前の現場の関係があってね。どうぞ、むさ苦しいところですが、よければ。あいにく今ちょっと九十九はいないんだけど。(ひじで完全に押し返してしまい、扉の内側へ手を差し出す) K:わーい、お邪魔します。(とことこ中へ) J:(やっと扉を抜け出して)クラリス! M:諦めなさい。(中へ入っていく)
(室内にて、コーヒーとケーキをいただきながら談笑しているクラリスと英一朗。ジュリオがクラリスの隣に座っているが、ソファのひじかけの上につっぷしてぶつぶつ言っている)
J:俺が殺される……おーれーがーダンチョーにころされるー…… K:あ、じゃああのケーキって本当に作ってたんですね。 M:そう、まあフリを色々と覚えるより、一回本当に作れるようになった方が早いから。体を作るのもそうだけど、本物にはやっぱりかなわないですよ。わたしが短気だというのもあるけどね。 K:そこで短気なのに見合う速さで習得できるのも、けっこうイレギュラーだと思いますけど。……って(ジュリオの肩を叩く)ジュリオさーん。もういい加減にしようよ。ケーキ美味しいよ? ほら。 M:(コーヒーを一口飲んで)いい加減その根拠の無い誹謗中傷を控えてもらえませんか。強姦魔にでもなったような気分だ。 J:(ばっと顔を上げて)根拠なくないだろ! アーティステックインプレッション10.0で女孕ませそうなツラして! M:(天をあおぐ) K:わージュリオさん無意味に表現力豊かだ……。
(ノックなしで、ジャケット姿の九十九がだらだら入ってくる。挨拶をしかけて、その場に足を止め、三人をまじまじと眺めながら煙草をくわえ直す)
K:あ、どうもお邪魔してます。 J:ちーっす。 九十九玲司(R):ああ。どうも。(会釈)……。 M:ちょうどよかった、玲司。(手招き)虫捕りの方だ。 R:ん。いや、いいけどさあの………英ちゃん何ンでそんな格好してんの? スペシャルの撮影ってとっくに終わったんじゃなかったっけ。(ぴっと指差しながら) K&J:?(振り返る) M:……玲司。クラリスさんだが、現場の方を見学されたいそうなんだ。セットを見せてあげてくれないか?(飛び切りの笑顔) R:(指差した格好のまま固まる)……(頷く)…はい。 J:……(まじまじと英一朗を見ている) R:(クラリスの前で姿勢を低めて、いい笑顔)どうも、九十九です。ククールっていうと混乱するから……とか思ったけど、おれと君を混同するやつなんていないか。 K:あの。 R:修道院のセット、今ちょうど組んでるよ。(親指で差す)見たくない? K:あ、見たい。(思わず立つ) R:よし、行こ行こ。(子供みたいにさり気なく手を繋いでいる。外見の色味が同じなので、兄弟のように見えなくもない) J:あ、ちょ…(手を伸ばしかけて、人が大勢いる方に連れて行こうとしているのを見て考え、ひとまず反対するのをやめる)
(二人が去るのを待って、ジュリオがゆっくりと英一朗を見直す)
J:……今の、どういう意味です。 M:(空になったカップに視線を落としつつ)別に、何も問題はなかったように思いますが。 J:あ、あのね真鍋さん、本当、冗談置いといてカンベンしてくださいよ。あの子一応看板だし、けっこう繊細だし、手つけられると困るんですって。 M:ばかな。あのね、彼女何歳ですか? まだ十八歳にもなっていないでしょう? そりゃ確かに素行に問題があるのは認める。仕事も仕事だしね。しかし、子供は別問題です。惨いことをするのは、趣味じゃない。そういう現場も、正直遠慮したいですよ。 J:(鳩が豆鉄砲食らったような顔で)急にまともですね……? M:(苦笑しつつ)別に最初からそう非常識なことを言っていたわけじゃないでしょうに。 J:(服装はどうなんだと悩みながら)ま、よく考えたら道理ですね。クラリスなんて、まだまだガキなもんだし。 M:虫捕りは最近扱ってるそうですね。 J:(首の後ろに手)あー……いや、ま。十五だったかな。でも、あの子は大丈夫ですよ。吹っ切れたもんだし。 M:そういう問題じゃない。あえて品を下らせることはないと言ってるんです。わたしが口を出す義理じゃないけどね。 J:(溜息)制作に伝えますよ。 M:別にきれいごとを言うつもりは全然ありません。子供に味あわせるには惜しい楽しみだと思います……。つまり、大人同士で楽しもうということ。……そう思いませんか? J:真鍋さんはその通りだと思いま(苦笑しながら顔を上げる) M:(上がったジュリオの顎に指をかけている) J:は。え。お? M:大人同士でね。
(暗転)
(後刻、虫捕りの控え室にて。ソファにだらーんと座り込んで真っ白に燃え尽きているジュリオ。腕を組んで見下ろしてるマルチェロ)
M:(意を決したように、ぽんと肩に手を置く) J:(無反応) M:(真剣そのものの声で)とりあえず、体を張って守ったんなら、別にいいやそれで。 J:フザけんなぁあああ!!!(泣き喚いている)
えーごめんなさい、私一人が楽しいです(笑 このような連中が遊びに行っていいサイトのオーナー様、絶賛募集中。
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