ひとりごと
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暖かい日だった。 やっと、やっと! 球根たちを庭や鉢に植えた。
チューリップ、アリウム、カマシア、水仙。 納戸に置いておいた箱を開けると、転がったまま 薄緑の芽を横っちょに伸ばしているものもあった。 しなびかけているものもあった。
ごめんね。 間に合ったかな。 ちゃんと育ってくれるかな。 安心して根や芽を伸ばしてね。 まだ続く冬の寒さにあって、春のぬくもりで目覚めてね。
心の中で語りかけながら 固まった地面を柔らかくほぐし茶色い球根を埋め込んだ。 そっと土をかぶせてぽんぽんと軽くたたいた。 お布団の中の子どもを寝かしつけるように。 そして上からサーサーと水をかけた。 あぁ、今日は本当に暖かい。
「やっと植えたの。」と報告すると 「不安だったかな、球根。」と夫が言った。 「ほっとしただろうね。」
ほんとだ。 このまま春が来ちゃったら、どうなるんだろうかって、 薄暗い納戸で頭を寄せ合って、心配していたのかもしれない。 ごめんなさい。 どうかどうか、球根たち、許してください。 育ってください。 そしてできたら、かわいい花を見せてください。 ね。
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