ひとりごと
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この頃、お茶の先生は毎週のように、お弟子さんたちにお道具をくださる。 今までお稽古で使っていた美しいお道具たちが、次々とみんなの手に渡る。 「生き形見です」とおっしゃる。
92歳、先生はまだまだお元気だ。 去年と比べたって、ちっとも変わっていない。 声にも張りがあるし、お顔のつやもいい。 誰よりも記憶が確かなのは相変わらずだし、 お点前の小さな間違いも見逃さない。 お酒だって召し上がっているし、おいしいお店情報もとても早い。 陶芸だって、次々と新作が出来上がってくる。 なのに急にそんなことをおっしゃるなんて。
私は先週は、鳥の本と花の本、それにかわいいお香合をいただいた。 今日は、今年できたばかりのお水差をいただいた。 それはとても嬉しかった。
でも、先生、寂しいです。 いまからこの調子でお道具を気前よくみんなに差し上げていると、 何年もたつと先生の手元になにもなくなっちゃいますよ。 「しまったなぁ」っておっしゃいますよ。 それくらい、まだずっとお元気でいらしてください。
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