ひとりごと
DiaryINDEX|past|will
10日ほど前から小鳥たちが来ていた。 ヒヨドリやシジュウカラたちが蔓にぶら下がって 少しだけ実った葡萄の熟し加減を毎日見ていた。 それが昨日、ついに一粒をヒヨドリが食べたのだ。 もうおいしい? やっと収穫のときがきたようだ。
ネオ・マスカット。 家を覆い尽くしそうなほどに蔓が伸びて、5年目の今年、やっと数房の実をつけた。 ある朝気がついたら鳥に全部食べられていた、なんてことにならないうちに 大切な葡萄の房を穫り入れることにした。
ベランダから手を伸ばしてひと房を切りとった。 さらに身を乗り出して蔓を手繰り寄せてひと房とった。 そしてもう少し下のほうにもうひと房が見えた。 針金ハンガーで蔓を引っ張ったら、葡萄の房だけ庭に落ちてしまった。 庭に下りてその3房目を拾った。 次は高枝切りバサミで軒下に下がっていた4房目をとった。 そして5房目。 これはヒヨドリが毎日楽しみにしていた葡萄だ。 明日の朝、がっかりしたらかわいそうなので、とらずに残しておいた。 初めての収穫、こんな立派な葡萄が4房もとれたら十分だ!
手が届かなかったので、摘果もろくにできず、大きな実の間に 待ち針の頭のような小さい実がいくつもついていた。 それがかわいかった。 袋かけもできなかったので黄緑色の実は葉や茎にすれ、 小鳥につつかれて傷だらけになってしまっていた。 でも傷から覗く透明な実は瑞々しくておいしそうだった。 すぐに食べたくなった。 薄い皮はつるんとむけた。 したたるような淡い翡翠色の実を口に入れた。 爽やかなマスカットの香り。 甘くて酸っぱくて、ちょっと渋かった。 ひとつだけ種が入っていた。 おいしくて嬉しかった。 私の葡萄は、ちゃんとほんとに葡萄だった。
タバコを吸いに庭に出るたびに、夫も見上げて気にしていたのだ。 きっと収穫を喜んでくれるだろう。 一緒に食べよう。 ジュジュとココにも分けよう。
ほんの数房の実りだけれど、幸せで胸がいっぱいになった。 実りの秋がやってきた。
|