ひとりごと
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夕方の道を自転車で走りながら 恵ちゃんのことをずっと思い出していた。 拾った日のこと、とってもかわいかったこと、 美しく成長して幸せに暮らしていること…。 なぜこんなに恵ちゃんのことばかり浮かぶのかと思ったら、 そうだ、駐車場にあの百合が咲いているのを見たからだ。
子猫の恵ちゃんをりきさんに託したとき りきさんに高砂百合の一株をいただいた。 それから私にとって、この高砂百合は「恵ちゃんの百合」なのだ。 車のない我が家の駐車場に植えた恵ちゃんの百合は しっかりと根付いて花を咲かせ、種を散らした。 数株に増えた百合は、今日、2年目の花を見せてくれた。 すんなりと伸ばした白い首を折り曲げ、軽くうつむいて咲いている。 いくつもいくつも清楚な花を風に揺らしている。 こんな青い黄昏時には、なおいっそう美しく見える。
もうすぐ恵ちゃんと出会った9月がやってくる。 恵ちゃんのことを思い出したのは、風があの時と同じような 秋色に染まってきたからなのかもしれない。
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