ひとりごと
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ゆかた 2005年07月28日(木)

結婚して以来十数年、一度もゆかたを着て出かけていない。
「ゆかた姿で電車に乗ったり街に出たりするものではない」
と言う祖母の言葉が頭に残っていて、
ゆかたを着る機会を減らしているのかもしれない。
結婚してから住んでいるこの街で、歩いて行けるところでのお祭りはなかった。
だからと言って、わざわざゆかた姿でバスや電車に乗って
出かけるのは気恥ずかしかった。

でもそんな考えはもう古いらしい。
今のゆかたは「浴衣」ではなくて「おしゃれ着」だ。
華やかに着こなして生き生きと歩くお嬢さんたちや、
涼しげにしゃっきりと粋に着こなす大人の女性を見ては、素敵だな、と思っていた。
夏になり、お店や街で昔とは違う色とりどりのゆかたを見ては、いいな、と思ってきていた。
今年こそ買おう、と思いつつ、着る機会のことを思い、買いそびれていた。
でも今年こそ、ゆかたを着て花火大会にでも行ってみようか?

買い物帰り、着物屋さんを覗いてみた。
今の時季、着物よりゆかたのほうがメインのようだった。
昔ながらの柄ゆきだったり、ポップな模様だったり、まるで着物のような豪華さだったり
ゆかたのバリエーションは豊富だった。
ちょっといいな、と思うものの値札を見てため息。。
ひと夏に一度か二度着るかどうかわからないものに、このお値段は贅沢かもしれない。
帯や下駄まで合わせて考えると、夏中さんざん着られるワンピースが2、3枚買えそうなくらいだ。
にこにこと近づいてきたお店の人に、正直にそう言った。
「それでもちょっと合わせてみるだけでもいかがですか?」

そう言われて、お店の人が選んでくれたものと自分で気に入ったものを何枚か着てみた。
久しぶりにゆかたを羽織り、姿見で見てみると、やっぱり嬉しかった。
帯を見立ててもらい、下駄も履いてみた。
ほんとにほしくなってきた。
「お似合いですよ」とほめられたのは、昔ながらの藍色の地に、
白と薄紫のマーガレットのような菊の花が、川の流れのように散らされているものだった。
お店の人にことわって、鏡の中の自分を鏡に撮らせてもらった。
「主人と相談してまた来ます」と、ほとんど買う気満々で店を出た。

家に帰り、妹にはゆかたの様子をメールで送り、母と電話で相談した。
「そうねぇ。○子も●子も持っているし、あなたも1枚くらい…。
お誕生日のプレゼントになんて、どうかしらねぇ?」と言ってくれた。
そうしたら、母の後ろで妹の声がした。
「ゆかた、着ていないのがあるから送ろうか?」

聞くところによると、婚家でゆかたと帯と下駄、一揃いを買ってもらったらしい。
着る機会もなく、これからも着るつもりはないのだと言う。
「そんな4万も5万も出して買うことないよ。送るから着て?」と言ってくれた。
「どんな柄?」と聞くと
「たしか、鳥の模様だった。」と言う。
鳥の模様!
それは嬉しい。
ご縁かもしれない。
もう夕方になっていたけれど、宅配便ですぐに送る手配をしてくれた。
わくわく♪

妹が、携帯電話で撮ったゆかたの柄をメールしてくれた。
「ユーモラスな鳥」とコメントがついていた。
う〜んと…。
たしかに思ったよりもポップな鮮やかな色合いの鳥だった。
でもゆかたにすると素敵かもしれないものね。
本物はきっときれいよね。
すぐに届けば、土曜日の花火大会に着ていけるかもしれない。
夫は花のゆかたが気に入ったようだが、でも鳥のゆかたも待ってみようか、と言っていた。

鳥のゆかたが飛んでくるのを待っている。


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