ひとりごと
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まさかね、と思っていたのだけれど 本当に「米」と「小麦」がアレルギー源だったらしい。 北海道旅行の最終日に始まって以来のひどいジンマシンの原因…。
ちょっと疲れて敏感になっていたらしい。 日光にあたっている手首足首、バッグを掛けている腕の内側、ジーンズの縫い目が当たった腿、 キャミソールのレース、お風呂でこすったところ、インコがとまった腕、 バスの座席で冷気に当たった首筋、スポーツクラブで汗をかいた胸元。 そんな刺激でジンマシンができた。 かゆくてたまらない。
一番つらいのは、食事の後に必ずジンマシンが出ることだった。 ひどいときには、頭がふらつき、喉がつまった。 夕食後はほとんど毎日横にならずにはいられなかった。 夫にさんざん言われて、先週やっと病院に行った。
お医者さまは、小学校のころの担任の先生を思い出させる初老の女性だった。 私の腕や首を診察し、話を聞いてうなずいて「機械性ジンマシンね。」とおっしゃった。 バッグが当たった場所や、掻いたところにできる刺激性のジンマシンをそう言うらしい。 それから、食べ物のジンマシンについて「心当たりは?」と聞いてこられた。 もともとハウスダストや動物の毛など、アレルギーはいろいろあるのだけれど 食べ物のアレルギーは生の大根と、何年か前に小麦が「擬陽性」と診断されたくらいだった。
「小麦が擬陽性だったの?怪しいわね。」と先生はメガネの向こうの目を光らせた。 「でもパンやパスタを食べていないときでもできるし。あとはごはんくらいしか…」と口ごもると、 「米、と言うこともあるわね。米と小麦で調べてみましょうか。」と先生。 血液を採りながら「米や小麦が原因じゃないといいわね。」と慰めるように優しくおっしゃった。
それから一週間、とりあえず出していただいた抗アレルギー剤のおかげで ジンマシンはだいぶ軽くなり、体も楽になっていた。 原因不明の呼吸困難やジンマシンもたまにはあったのだけれど。 このまま体力が回復したら、もう起きないかも、と思っていた。 なのに。 今日、診察室に入った私が椅子に座るとすぐに先生はおっしゃったのだ。 「米も小麦も出たわよ。アレルギー。」
ショック。 「このくらいのスコアだと、症状が出ない人もいるのですけれどねぇ。」と先生。 「少し疲れていて体力が落ちていることもあるのでしょうか?」と伺ってみると 「そう。そう言うこともあるかもしれませんね。」とおっしゃった。 そして「まぁ、しばらく断ってみましょう。」ときっぱり言われるのだった。 え?お米や小麦を断つ? そんなことを人一倍食いしん坊の私に先生はさらりとおっしゃるの? 何を食べたらいいの〜!?
「小麦…と言うと、パンとかパスタとかダメなんですよね。」と聞くと 「それからケーキ、クッキーなどのお菓子類。」と先生は続けた。 ショック、ショック! 昨夜食べたトマトのパスタはおいしかった、クッキーはまだ残っていたな…とぼんやり思い出していた。 北海道土産のラーメンもまだ2食分残っていた。 あぁ、早く食べておけばよかった。
2週間分の薬をいただき、2週間の米・小麦断ちを言い渡されて病院を出た。 おなかがすいた、と感じて時計を見ると、もう1時を過ぎているのだった。 何か食べて帰ろう、と思って、とまどった。 ハンバーガーやドーナツのお店には入れない。 私は何を食べたらいいの? 結局フライドチキンのお店でコールスローとカプチーノで簡単すぎる昼食をすませた。 隣の本屋さんで、温野菜サラダの本を買って帰った。
お米やパンやパスタが食べられないのなら、野菜やお肉やお魚を摂ろう。 朝食にはフルーツやヨーグルトを食べよう。 デザートは、プリンやアイスクリームだったら大丈夫ね。 これはちょうど、低炭水化物ダイエットになるのじゃない? そう、そう思えばヘルシーで美容にもいい、かも。 よく考えたら、主食にはお蕎麦や春雨だったら食べられる。 一度作ってみたかったソバ粉のガレットなんかも試してみよう。
夫や友だちと食事をするとき、焼きたてのパンやほかほかごはん、おいしそうなケーキを見て それはつらい思いをするのだろうな。 どうかできるだけ早くアレルギー症状が消えますように。 せめてこの夏のうちに治ってほしい。 パンやケーキや炊きたてのごはんを食べる日が夢のようだ。
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