ひとりごと
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ふわりと12月に入っていた。 1ヵ月後がお正月だなんてウソのよう…。 べべにお線香をあげに庭に出たら、冷たい空気に顔を洗われた。 球根を植え終わってなくて落ち着かないのだけれど、 まだ風邪が治りきっていないので、 もう1日家の中でゆっくり過ごすことにした。
朝遅く、窓の上のほうに日が射してきた。 だんだんカーテンのその明るい幅が広くなってくる。 買っておいたキラキラ光る小さな飾りをカーテンレールにぶら下げた。 透明なピンクがちらりと揺れた。 ひとつ飾りを下げただけで、クリスマスの華やかな気分になった。 ツリーを出すのは来週かな、その前に掃除もしなくちゃ、などとぼんやり考えた。
昼間は、土曜日に妹たちと参加するフリーマーケットに出すものを探した。 丈が短くなりすぎたり、おなかまわりが気になったりで、あまりはかなくなったスカートや、 顔映りが悪くてほとんど袖を通さなかったセーター、ちょっと重いコートなど、 まだきれいで十分着られるのだけれど、私には必要のない衣類をベッドの上に並べていった。 景品でいただいたけれど使っていないバッグやアクセサリーも探し出した。 埃が舞って、くしゃみ連発。 ぜいぜいと喘息も出始めたので、ここで一段落。 もっとちゃんとお掃除しなくてはダメね。
夕方、母と電話で12月の予定を話した。 クリスマスパーティーのこと、帰省のこと、そして年賀状の話になった。 そこで、パソコンが夏に壊れて住所録も消えてしまったことを思い出した。 今のうちに入力しておかないと、年末あわてることになる。 電話を切ったあと、今年の年賀状をもとに、新しい住所録に入力を始めた。 珍しく集中していたらしい。 2時間半で、親戚の分と私の友だちの分、160件あまりを入力することができた。 ひゃー、1件当たり1分足らずでできた計算! ひとりで得意になったけれど、集中しすぎたのか、熱が少し上がってしまった。
夕食は、買い置いておいた食材で中華風のメニューをいくつか作った。 参考文献、久々に買ったオレンジページ。 新婚のころ、せっせと買って読んでいた雑誌だ。 懐かしくて、気分も初心に戻って、本のとおりにきちんと作ってみた。 自分の味とは違う、ちょっと変わったおいしい料理ができて、夫にも好評だった。 私も調子に乗って食べ過ぎて、マヌケにもめまいを起こしてしまった。
食後、疲れて横になっていて、洗濯物を取り込んでいないことを思い出して飛び起きた。 そうだ、今日は何日分かをまとめて洗っていたのだっけ。 大変、大変。 2階に上がり、窓を開けると、ベランダで湿って冷え切った洗濯物が揺れていた。 明日、干しなおさなくては。 うっかりを後悔しながら、ハンガーを引き寄せ、ふと空を見上げた。 わぁ! 息を呑むほどの美しい夜空。 星の光がキラキラキラ…と澄んだ音を立てそうなほどに瞬いていた。 たくさんたくさんの星が見える。 ずっと見ていたら、流れ星だって見えるかもしれない。 目の前で手を広げているオリオンの三ツ星も、その下の小三ツ星の星雲もきれいに見えた。 もう少し顔を上げるとつやつやと明るい月がころんと星空の上に転がしたように光っていた。 寒さも忘れて、ベランダに立ち尽くし、ぼーっと空に見とれた。 そして、悲しいことを思い出さずに星空を見たのは久しぶりだったことに気がついた。
パソコンをつけて、友だちの言葉にふれた。 今日がべべの誕生日だと思い出してくれていた。 そうだった。 べべは(生きていたら)今日で7歳。 冬生まれ、射手座のべべちゃんだったのだっけ。 思うと胸がつまるけれど、もう泣かない。 ふんわりかわいいヒナだったことをほのぼのと思い出す。 おだやかにほほえめてくる。 ね、もう大丈夫でしょ。
クリスマスツリーを出すときが、べべのかごをしまうときだろう。 ゆっくりゆっくりと、べべに別れを告げて行く。 またどこかで会えると言う、妙な確信があるから悲しくない。 私はてきぱきと自分のことをやっていこう。 あと1ヶ月で今年が終わる。
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