ひとりごと
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私ってほんとマヌケ 2004年05月12日(水)

友だちの家に行く途中、駅の階段で転んでしまった。
なにをそんなに急いでいたのだろう。
JRから地下鉄に乗り換えるとき、
ホームへの階段をあわてて駆け下りた。
そのとき、もとからゆるかった靴のかかとが脱げ、
それがワイドパンツの折り返しに引っ掛かり、
駆け下りる勢いだけそのままに、ズドドドド…と
前のめりに転げ落ちてしまい、踊り場でようやくとまったのだ。

「やっちゃった!」「恥ずかしい!」「お料理が!」
と、瞬間的にいろいろ考えた。
痛みよりもまず恥ずかしさ。
うつむいたまま、飛び散ったお惣菜を手早くかき集めて
手提げの紙袋に入れて、立ち上がった。
でも「大丈夫ですか!?」と駆け寄ってくる人影はなかった。
まるで奇跡のように、駅の階段にもホームにも、誰もいなかったのだ。
白々と明るい蛍光灯も、見て見ぬ振りをしているようだった。
私が転げ落ちるところを目撃した人も、巻き添えを食う人もいなかった。
よかった。

何もなかったようなすました顔で、間もなく到着した電車に乗り込んだ。
すましているくせして、すかさず空いている席を見つけて座り込んだ。
ひざとすねと足首がジンジン痛んだ。
さりげなく服を観察したけれど、よかった、破れていない。
袋から飛び出したお惣菜も、ビニール袋で密封されていて無傷だった。
ただ、手提げの紙袋は大きく裂けていて、中身が落ちそうだ。
慎重に紙袋を抱えながら、駅を下りた。

友だちの庭の薔薇も草花もすばらしかった。
愛情深く、細やかに手入れされていることがひと目でわかる。
のびのびと元気に美しく咲いていた。
みんなの持ち寄りのお料理もおいしく、おしゃべりは楽しく、
犬やインコは本当にかわいかった。
なのに、失礼なことに私はきっと上の空だっただろう。
とっても楽しくておいしかったのに、
足の痛みと階段から落ちたショックが心の余裕をなくさせていた。
みんなにも心配をかけて、気を遣わせてしまった。
本当に申し訳ない。
情けない〜。

夜、家に帰って足を見てみた。
色とりどりのあざが7つ、すねから足首にかけてできていた。
それを覆うように冷たい湿布を貼った。
打撲だけで、骨に異常はないようだ。
非情な夫には「マヌケ」と笑われた。

わかっている。
本当にマヌケよ。
「でもね、これだけですんだのってすごくない?
私、転び慣れているから、脱力するのが上手いのよ。」
と、自慢したら
「普通、大人になったら転んだり、階段から落ちたりしないんだよ〜。」
と、言われてしまった。

そうなのか!
大人は転ばないものなのね。
やっぱり私は運動神経が鈍いのだろうな。
たしかに小さい頃からよく転んで、ひざからかさぶたが消えたことがなかった。
保健室の記録ノートには、1週間に1回は私の名前が現れた。
転ぶだけではなくて、図工の時間にカッターで指を切ったり、朝礼で気分が悪くなったり。
運動神経が鈍いだけじゃなく、ブキッチョで、軟弱だったんだ。
それは今も変わらない…。

でも、見ていらっしゃい!
せっかく通い始めたスポーツクラブで体を鍛え、筋肉をつけ、敏捷になってみせましょう。
1年後には、今までとは違う、テキパキとしたニューToto&Bebeがいるでしょう。

とりあえずは足の怪我を治さなくちゃ。
この足じゃ、水泳もバレエもマシンジムもできないものね。


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