ひとりごと
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迷子のととちゃん 2004年04月25日(日)

ネットのセキセイインコのお友だち、
ととちゃんが迷子になってしまった。
その知らせを見て、頭がしびれたようなショックを受けた。

ととちゃんのHPを知ったのは、もう1年以上前。
どうやってたどりついたのだっただろうか?
「とと」と言う名前と、ととちゃんのかわいさに夢中になった。
それからこっそり、毎日更新されるととちゃんの日記を楽しみにしていた。
ご挨拶をしなかったのは、うちのトトがもう死んでしまったインコであり
同じ名前の若いととちゃんに対して、申し訳ないような気がしたからだった。
でもつい先日、やっと思い切ってご挨拶をすることができた。
これからインコのお話をいろいろできるのが嬉しかった。

ととちゃんとトトは似ていた。
体の模様は違うけれど、その出会いや飼い主さんとの暮らし方、
性格やくせまでが、トトと似ていた。
飼い主さんの愛情あふれる日記を読んで、私もトトとの生活をなぞっていた。
幸せな日々が甦るようだった。

そんなととちゃんが逃げてしまった。
飼い主さんはどんなにか悲しみ、心配し、ご自分を責められていることだろう。
ととちゃんは今この時間をどんなふうに過ごしているのだろう。
思うと、私まで胃が痛むようだった。
小鳥が逃げてしまうのは、突然であるだけにショックが大きい。

私も高校生の頃、飼っていたセキセイインコを逃がしたことがあった。
ほんのちょっとした気のゆるみ、ちょっとした不注意だった。
あっと思う間もなく、飛んで行ってしまったのだ。
去っていくインコの後姿を見て、「ウソ…」と思った。

激しい後悔と悲しみ。
ほんの1分前に時間を巻き戻したい!
たった今、ここにいたのに。
ばたばたと部屋を飛び回り、さえずっていたのに!
揺れるカーテンの向こうに飛び立ち、静かな部屋だけが残った。
インコが止まっていた指は、まだその温もりを覚えていた。

我に返って、鳥かごをつかみ、外に飛び出しインコの名を呼んだ。
人目をはばかることもなく、大きな声でインコを呼んで歩き回った。
高い木の上や、家の窓辺や、屋根に小鳥の姿を探した。
スズメの羽音にはっとして振り向いた。
街は広く、空はもっと広く高くて、小さなインコ1羽をやすやすと隠してしまう。
日が暮れ、疲れて家に帰った。
祖母や母、妹たちに慰められた。
後悔と悲しみは消えることもなく、考えれば考えるほど心配になっていくのだった。
カラスや猫に襲われてはいないか、おなかをすかせてはいないか。
どんなに家に帰りたいだろうか…。

でも、そのインコは帰ってきたのだった。
どんなことでもしたい私は、インコが飛び去った窓辺に鳥かごを吊るしておいた。
その扉を開き、えさと新鮮な水をたっぷり入れ、
かごの下にはインコへの、こんな手紙をぶら下げた。
 
 メグちゃん、おかえりなさい。
 空は楽しかった?冒険だったね。
 でも、おうちが一番いいでしょう?
 心配しちゃうから、もうお出かけはしないでね。
 ゆっくりいっぱいごはんを食べてね。

そんな童話のようなことを…と家族は思っていたらしいが、気が済むようにさせてくれた。
私は信じていた。
メグちゃんは、ちょっとお散歩に行っただけだ。
仲間や私のいるこの家に、絶対に帰ってきてくれる。
この手紙を見つけて、窓から入ってきてくれる、と。

2日後の朝、目が覚めてかごの中を覗いても、からっぽだった。
手紙を下げたまま、かごが揺れていた。
「やっぱり…」と言う気持ちと「でもまだこれからきっと」と言う気持ちがあった。
学校へ行く支度をし、階下のダイニングで朝食をすませ、
出かける前に、もう一度、自分の部屋に戻って窓辺のかごを見た。
そうしたら!
紛れもないメグちゃんが、かごの中で夢中になって餌をついばんでいるのだった。
あわてず、そっとかごの扉を閉め、部屋の中に入れた。
夢のようだった。
どんなによく見ても、逃げたあのインコに間違いはないのだった。

「帰ってきたよ!メグちゃんが帰ってきたよ〜!」
と、大声で家族を呼んだ。
みんなびっくりして飛んできた。
まさか、と思ったようだった。
私は安心して嬉しい気持ちで学校に行くことができた。

そんなこともあるのだ。
インコは家に帰りたがっている。
帰ろうとして、その道を探している。
そうでなかったら、どこかの人の家に舞い込んでいるだろう。
ジュジュやピピだって、迷子のインコだった。
手乗りでないこの子たちだって、自分の身を守るために人の手に飛び込んだのだ。
あんなに人懐っこいととちゃんだったら、優しい人のもとに保護されているに違いない。

ととちゃんの飼い主さんは、考えられるすべてのことをしていらっしゃる。
これ以上の手は打てないくらいだ。
ととちゃんを保護している方も、やがてポスターに気がつくだろう。
ととちゃんは優しい飼い主さんのいる居心地のいいおうちにきっと帰ってくる。
嬉しい報告が聞けるのを心待ちにしている。


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