ひとりごと
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| 図書券で買ったのは… |
2004年02月25日(水) |
引き出しを整理していたら図書券が出てきた。 なんと5000円分も! 何かの折にいただいても、もったいなくて使えなくて いつの間にかこんなにたまっていたのだ。
図書券を持って、駅前の書店にいそいそと行った。 いつも文庫本になるまでがまんしたり、 図書館に注文して予約待ちをしていたりした本が自分のものになる。 単行本が新刊で買えるのだ。 ほしい小説の本があった。 まずはそれを買うつもりだった。
いつもは文庫本のコーナーで、めぼしい本を探すのに 今日はいきなり奥の単行本のコーナーに行く。 気になる本を見つけては手に取り、眺めながら目的の作家の棚へと近づいていった。 なのに、残念。 ほしい本はそこには置いてなかった。 店内を探し回っても、見つからなかった。 がっかり…。 でも、せっかく図書券を握りしめてここまで来たのだもの。 なにか本を買って帰ろう。 心に響く本が、きっとここにもあるはずだ。
そう思って探すと、なかなか見つからない。 あてもなく書店に来ると、ほしい本ばかり目につくのに。 ピンと来る本を探して、小説、エッセイのコーナーから実用書のコーナーへ。 そうだ、なにか園芸の本か、手芸の本でも買おうか? 写真がいっぱいの園芸書や手芸の本は、ちょっと高くてなかなか買えないもの。
つやつやした表紙をこちらに向けて、ラックに並んでいる本を眺めた。 その中で、優しい色がパッチワークのようにグラデーションで並んでいる本が目を引いた。 手にとってみると、それはパッチワークの本ではなく、料理の本だった。
「あなたのために いのちを支えるスープ」辰巳芳子・著 前に、友だちのHPでおいしそうなスープを見た。 シンプルで美しくて、想像しきれないような深い味わいを持ったスープのように見えた。 それでもその味を想像して、うっとりとしていた。 あぁ、そう言えば、書いてあったのはこの本のタイトルだった。 大きな本の硬い表紙を開いてみると、ページいっぱいに広がるスープやお味噌汁の写真。 おだしの香りが湯気と一緒に漂ってきそうだ。 材料を選び、丁寧にゆっくりと作っていくスープやおつゆの作り方が載っていた。
私もこんなスープを作りたい。 想像していた味を、味わいたい。 裏へ返して見ると、その値段は持っている図書券の半分より少し高いくらいだった。 どうしようか。 この本を持っていても、本当に作るのかどうか。 いつものように、図書館で借りてきたらいいのではないだろうか。 本を持ったまま、棚の前で考え、悩み、また本を開き。 そして考え、結局胸に抱いてレジへと向かった。 私はスープを作る。
大きな本を1冊選んで嬉しかった。 わくわくとレジの前に行く途中、何か気になる文字が目の端をかすった。 そこはコミックのコーナー。 私を呼び止めたのは、「エースをねらえ!」山本鈴美香・著。 今、一番楽しみにしているドラマの原作本だ。 妹たちや夫とつっこみを入れながらも、懐かしくおもしろく見ている。 小学生の頃、テレビアニメで夢中になり、その後、コミックも夢中で読んだ。 あの頃、これを読んでテニスを始めた人も多かったはずだ。 「もしかしたら私にもテニスの才能が隠されているかも」なんて私も思ったりしたのだ。 やっぱりそれは妄想だったけれど。 それでも、運動オンチの私が一番長く続けたスポーツがテニスで、 それはこれを読んでいたからではないかと思う。
せっかくの図書券でわざわざマンガを買わなくても、と思うし 実家に行けば全巻そろっていて、ストーリーはもちろん、 せりふまで暗記できるほど熟読した本を、今さら買わなくても、とも思った。 でも手元に置いて読みたかった。 たしか夫もこのマンガが好きだったはずだ。 たとえそれがマンガでも、ほしい本を買うのが図書券の正しい使い道だ。 文庫本サイズになっている「エースをねらえ!」は1冊600円ちょっと。 10巻全部は買えないので、とりあえず3巻までを手に取った。 少女の頃、姉妹で少しずつそろえたように、また少しずつ買っていこう。
大小4冊の本を持って、レジに並んだ。 ふと横を見ると、白洲正子のコーナーが目に入った。 この町は、白洲次郎・正子夫妻が最後に住んだ町でもある。 屋敷もそのまま残されて、公開されている。 駅前のその書店には、白洲正子さんのコーナーが常設されているのだ。 旅の本、骨董、着物のエッセイ、小説、自伝…。 武相荘へも行って見たいと思いつつ、まだ訪れていなかったっけ。 それより、書いた本をきちんと読んだことがなかった。 まずは、どんな人だったのかを知りたかった。 それで私が選んだのは「白洲正子自伝」白洲正子・著。
選んだ本をカウンターに出して「図書券でお願いします」と言った。 5冊も一度に買うのは(マンガが3冊あるけれど)初めてで、嬉しかった。 さて、いくらくらいになったかな。 図書券で足りるだろうか? すると、なんとほとんどぴったり! 100円玉を1枚出して、それで十分だった。 全然買う気がなかった本たちだけれど、やっぱり縁があったのだ、と 調子よく思ってしまった。 ほしかった小説の本は、またきっとどこかで出会えるだろう。 重い荷物が嬉しくて、早く本を開きたくて家へ急いだ。 家に帰って、一番最初に読み始めたのは、「エースをねらえ!」だった。
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