ひとりごと
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昨日、姪たちが選んだ布をあらためて洗い 地直ししてアイロンをかけた。 小鹿や小鳥やイチゴ模様がほかほか湯気を立てた。 熱い乾いた匂いがした。
妹の2人の娘が、この4月からそろって入園する。 ママべったりだった甘えんぼの姪たちも 姉妹で通う幼稚園を楽しみにしているらしい。 妹も、自分の時間ができて、少し楽になるだろう。 昨日は、その入園支度、バッグなどの袋作りを私に頼みに来たのだった。 小物作りは大好きなので、喜んで引き受けた。
姪たちのために用意しておいた布と、 今まで買いためていた布を、リビングの床にわーっと広げた。 「どれがいい?好きなきれで作ってあげるよ。」と言うと 姪たちは、目を輝かせて布の海の中に座りこみ、1枚1枚広げて確かめていった。 そしてすぐにそれぞれお気に入りの生地を見つけた。 懐かしい雰囲気のピンク地の小鹿柄と、黄色の小鳥柄。 そしてイチゴやサクランボの模様。
このごろ、昭和レトロがはやっていると言う。 姪たちの生地を探しに行ったお店でも、懐かしい雰囲気の布が目を引いた。 赤ちゃんの頃のお布団や枕カバーで見たような。 昔の絵本で見たような…。 大好きだった亜土ちゃんや内藤ルネさんの生地もあった。 姪たちのために、と言うより、これは私の趣味だわ、と思いながらも 数種類の布をそこで買った。
姪たちが選んだのは、そんな昭和レトロタイプの布だった。 「かわいい!」と布を抱きしめている。 今も昔も、女の子はこんな感じが好きなのだ。 買いためておいた布を確かめもしないで広げたとき、 高価なビンテージの布や大切なドイツのコットンも混ざっていたので、 ちょっとドキドキしたけれど、姪たちはそちらには目もくれなかった。 あぁ、あっぱれ日本の子! 使わないでしまっておいても仕方ないから、選んでくれてもよかったのだけれどね。
「これでどんなサイズで作ればいいの?」と、床に布を広げながら聞くと 妹は幼稚園から渡されたプリントを出してきた。 「えーと、手提げ袋は32×43で、体操着入れは34×30で、それから…。」 「え?え?そんなにいっぱい作るの?」 確かめてみたら、作って用意するものはたくさんあった。 手提げ袋、体操着入れ、上履き入れ、コップ袋、座布団カバー、そして遊び着。 これをそれぞれ2人分ずつ。 これは大仕事だ〜。
まさかこんなに何種類も作るとは思っていなかったので 布は一番大きいものでも50cmしか買っていなかった。 袋類をすべておそろいの布では作ることはできなさそうだ。 同じ布でなくてもいい、いろんなかわいい模様がほしい、と姪たちが言うので さらに何種類かの布を選ばせた。 年中で入園する4歳の上の姪は、どんどん自分で選んでいった。 わかっているのかいないのか、ただ布をかき回しているみたいな下の姪が やっと選んだ布は、赤ちゃんの絵が描いてある布だった。 「こんな子どもっぽい模様でいいの?」と思ったけれど、当の姪が気に入っている。 それに、年少で入園する姪は3月でやっと3歳、今はまだ2歳。 子どもっぽいも何も、ほとんど赤ちゃんのようなものなのだ。 本人が気に入っている布で作るに限る。 きっと大切にしてくれるだろう。
袋類の布選びは決まった。 姪たちは、自分の選んだ布を嬉しそうにくしゃくしゃに抱きしめている。 「じゃあ、これで作るから、きれいにしてね。」 と言うと、せっせせっせと小さい手で布をたたみ、私に「はい」と渡してくれた。 座布団カバーはふたりともピーターラビットで決まり。 遊び着の生地は、今度妹と一緒に生地屋さんに買いに行くことにした。 さあ、注文は受け付けた。
「いっぱい作ることになっちゃったね。」と、上の姪が何度も私に言う。 「いっぱいで大変だよね。大丈夫?」心配そうな顔で見上げてくるのだ。 小さいなりに、気遣ってくれているらしい。 本当のところ、「これは大変」と思っていたのだけれど、 姪にそんなふうに言われて、疲れたような顔は見せられない。 心配してくれる気持ちが嬉しい。 「大丈夫よ。ちゃんとできるからね。かわいく作るからね。」と私は笑って見せた。 姪も安心したようににっこり笑って、そして母親の方にかけていった。
ママっ子で、泣き虫で、かんしゃく持ちで、わがままだった子が成長している。 いい子に育ってきた。 幼稚園に入り、先生やたくさんの友だちに囲まれて、もっと成長するのだろう。 手作りのバッグとともに始まる新しい生活! 私までわくわくする。 姪たちの、もっと嬉しそうなにこにこ顔を見るために、がんばって作ろう。 慎重に布を裁ち、丁寧に縫おう。 これは私からの入園祝いだ。
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