ひとりごと
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古い女友だちと 2004年02月14日(土)

学生時代の友だちに誘われて、東京ドームの
「テーブルウェア・フェスティバル」に行った。
前から興味はあったのだけれど、なかなか行く機会がなかった。
招待券を手に入れた友だちが、私を思い出して
「好きそうだと思って」と誘ってくれたのが嬉しい。

洋食器、和食器、手作りの器、素敵なテーブルセッティング。
たくさんの人波に流されながら、ひとつひとつ見て行った。
「きれい!」
「いい感じ〜。」
「これにはどんなお料理が似合うと思う?」
「ねぇ、食器ってなんて楽しんでしょうね!」
「なんだかおなかすいてきちゃったわ。」

食いしん坊の私たち。
食器を見るだけでこんなに楽しめるだなんて幸せだ。
気がついたら2時間ノンストップで歩き回っていた。
スタンドで一旦休憩。
持って行ったお茶とお菓子で元気を回復して、また歓声をあげつつ私たちは歩き回った。

きれいな器にカトラリー、おしゃれなファブリックやオーナメントが取り合わされた
テーブルには、どれにも必ずと言っていいほど花があしらわれていた。
花があるだけで、雰囲気がこんなに和らぎ暖かくなる。
心がほっとして笑顔が浮かぶ。
食器も好きだけれど、いろんな花あしらいが心に残った。
ふだんの食卓や、お客さまのとき、私も感じよく花を飾ってみたい。

展示をひと通り見たあとは、お楽しみのショップめぐり。
あてもなく眺め始めたけれど、ごはん茶碗が間に合わせだったことを思い出した。
結婚以来使っていた夫婦茶碗を、おととし次々と割ってしまって
お客用の華奢で小さなお茶碗をそれからずっと使っていたのだ。
気に入るものと出会ったら、と思いつつ、そのままだった。
ここではこんなにたくさんのお店が出ているのだもの。
お気に入りのひとつがどこかにあるに違いない。

そう思って探すとなかなかない。
友だちも気をつけて見てくれて「これはどう?」「こんなのは?」と探してくれる。
「ちょっと大きすぎる…。」「柄がねぇ。」「素敵だけれど予算オーバー!」
う〜ん、むずかしい。
縁がなかったら、無理して買って帰るのはよそう、と思っていたとき
最後の最後のほうのお店で、そのお茶碗と出会った。

まず大きさがちょうどいい。
しっとりとなめらかな肌触りが好ましくて、持った感じも手にしっくりくる。
伊万里焼だと言う。
緑が買った淡い水色の優しい色の地に、青で柔らかく蔓葡萄が描かれていた。
いいものがあったら夫婦茶碗ではなくてもいい、と思っていたけれど
ちょうど大小がひとつずつそろっていた。
でも予算をオーバーしているし…と悩んでいると
まるで心を読んだように、ぴったり予算どおりの値段におまけしてくれた。
やっぱり縁があったのかもしれない。
心が決まった。
「大切にしてくださいね。」と、丁寧に包まれたお茶碗をお店の人が渡してくれた。
「はい。大切に使います。」私もしっかりと丁寧に受け取った。
「いいのが見つかってよかったね。」と、友だちも喜んでくれた。

ほかのお店では、鳥の形の白い箸置きと楊枝立てを買った。
友だちは小さな食器と、それからチューリップの鉢植えを買っていた。
ふたりとも気に入ったものを手に入れて、ほくほくと会場を出た。
イルミネーションがきれいな夜になっていた。

強い風に吹かれながら、東京ドームと同じ敷地にあるホテルに向かった。
そこのイタリアンのバイキングがなかなかいい、と友だちが言う。
たしかに充実したメニュー!
腰を落ち着けてオードブルからデザートまで、おしゃべりをしながらゆっくりといただいた。
学生時代の友だちとは、いくらでも話すことがある。
何度も席を立って新しい料理をとってきては食べ続け、話し続けた。

「あの頃、私たちはよく食べたわよねぇ。」
「ほんと。ケーキバイキングで10個は当たり前だったものね。」
「ちょっと!あれからもう20年くらいたったのよ!」
「もうあんなには食べられないわね。若かったのよねぇ。」

何も気にせずよく食べたその頃を懐かしみつつ、
それでも実は今も変わらず、私たち3時間かけて大いに食べたのだった。
帰り際、ショーケースの中にデコレーションされたチョコレートケーキを見つけて
今日がバレンタインデイであったことを思い出した。
20年前は、ふたりともドキドキした日だったはずなのに、すっかり忘れていた。
暖かい強い風が春一番だったのを知ったのも、友と別れて家に帰ってからだった。


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