ひとりごと
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今月は、見たい展覧会の予定がいっぱいある。 嬉しくて、ほくほくしてしまう。 今日は、日本橋と京橋をはしごしてきた。 「若冲と琳派」展の最終日、 「1分間の悦楽 万華鏡の世界」展の初日だった。
「若冲と琳派」、最終日になったけれど行ってよかった。 最初の「四季草花図屏風」を見たとき、 渋い金色の地に描かれた、可憐な花を見て胸がトキンと鳴った。 瑞々しい花が風にそよいで揺れたように見えた。 なんて美しいのだろう! 花の形に忠実で正確で、写実的なように見えて実はとてもデザイン的で。 62種類もの草花が、自然に、そこに生えているかのように描かれている。 いつまで見ても見飽きることがない。
最初からこんなに印象的だったのに、そのあとに続くどの絵もため息が出るほど素敵なのだ。 胸はドキドキしっぱなしだった。 俵屋宗達、深江芦舟、渡辺始興、酒井抱一。 そして鈴木其一。 日本画にはあまりなじみがなく、詳しくはないけれど 「これは好きだ!」とはっきり言える心地よさだった。
伊藤若冲の、大らかな絵は見ていて楽しかった。 一気に描かれたかのような勢いのある鶏たち。 雄鶏はりりしくて、でも後ろに必ず描かれている雌鳥を優しく気遣っているようで。 何より、若冲自身の目が、生きものに優しい。 「糸瓜郡虫図」、すんなりデザイン的に描かれたヘチマに さまざまな虫たちが集まってきている。 まるで隠し絵のように自然に、11匹の生きものがヘチマで憩っていた。 楽しくて、大好きな絵だった。
思いがけないほど楽しい展示だった。 出口が近づいてくるのが、残念だった。 この展覧会でこんなに満足したのに、私は贅沢にも次の展覧会に足を向けた。 日本橋のデパートから歩いて10分ほど、目的地は京橋の画廊だ。
「中村明功・あや子 1分間の悦楽 万華鏡の世界」。 大好きな万華鏡作家さんの初めての個展だった。 このところ何回かお話しする機会もあって、顔も覚えていただいていて ひょっこり顔を出した私を喜んで迎えてくださった。
小ぢんまりとした感じのいい部屋の中に、 ご夫婦ふたりで作られたたくさんの万華鏡が並んでいた。 色とりどりのステンドグラスで綴られたもの、手のひらに入るほど小さなもの。 大きな箱、小さな箱、謎の箱。 どれも外から見るだけではわからない。 手にとって、小さな穴から覗いて見て、そして初めて広がる世界に歓声が上がる。
どんなに美しい映像もその一瞬だけのもの。 次の瞬間には違う模様になっている。 この美しさは今この瞬間の自分だけのものなのだ。 贅沢で秘密めいた楽しみだ。 その映像のバリエーションも、万華鏡の数だけ個性がある。 「万華鏡」と言って、思い浮かべるものの何十倍も不思議な世界が広がっている。 宇宙空間に浮かんだ天体に無数の星がまとわりついているように見えたり 放射状に光の帯を伸ばしながらくるくる回る立方体もあった。 「どうしてこんなふうに見えるの?」と不思議でたまらない。
美しくて謎がいっぱいの魅力的な万華鏡。 どんなものを作ろうか?と考えているときが一番大変で 作るのはとても楽しい作業なのだそうだ。 おふたりで交互に説明してくださった。 とても楽しくて居心地がよくて、おしゃべりをしながら2時間以上も見させていただいた。 そして、とても気に入った小さなひとつの万華鏡を予約して帰ってきた。 この展覧会の会期が終わったら、あの万華鏡は私のものになる。
ラッシュ直前の電車の中、なんとか座れた席で少し夢を見た。 しっとりとした草花が、昔のどこかのお屋敷で揺れる夢。 海の底や、空の果てのような万華鏡がくるくる回る夢。 透明な色彩がゆらゆら揺れて、きっと私も体も揺れていただろう。
↓素敵な万華鏡を作られる中村さんご夫妻のサイトはこちらです。 1分間の悦楽 万華鏡の世界 万華鏡のことがよくわかります。
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