ひとりごと
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明け方の夢の中で、美しい風景の中を歩いていた。
街並みはユトリロの絵のようだった。 私は嬉しくなって、いつもどこへでも持ち歩いている あのデジカメのシャッターを何回も切った。 建物の前では、絵本から抜け出たような子どもたちが 透き通るような色彩で、ふわふわと舞うように遊んでいた。 あまりにもかわいくて、きれいで愛しくて 私は何枚も写真を撮った。
夢の中で、夢中になって写真を撮っていた。 デジカメのモニターを確かめると、街並みも子どもたちも 絵のような雰囲気のまま、ちゃんと写っていた。 そして私は「これは夢だから写真は残らないのだろうな」と 不思議に冷静に考えて、残念に思っているのだった。
目が覚めた。 やっぱり夢だった。 夢のような風景は夢の中だけのものだった。 撮った写真も向こうの世界に置いてきてしまった。 夢の写真が撮れたらいいのに。
夕方、回覧板を持って外に出たら、空がきれいだった。 そのまま少し歩いてみた。 風は冷たいけれど、雲は暖かい優しい色だ。 磨かれた空を流れる薔薇色の雲、金色の天使のはしご。
夢の中じゃなくても、 こちらの世界も、こんなにも美しい。
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