ひとりごと
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茜色の薔薇の実 2003年12月08日(月)

ピーちゃん(仮称)のことは、信頼する先生にお任せしているのだから
よけいな心配はしないことにした。
きっと大丈夫!
今、この瞬間も彼は病気と闘っている。
私はいつもどおりに生活しながら、回復を祈るだけだ。

薔薇の実を摘んだ。
ポン、ポン、と赤い水玉が弾んだようなメルヘンランドの実がなくなると
白いフェンスは寂しくなった。
もう少ししたら、枝を剪定誘引してきりりと清々しい眺めにしよう。
刈り取った収穫を新聞に広げて整理していった。
黒くなった実や枯れた枝を切り取って、枝振りを整える。
赤い実の先についたかさかさしたガクを取り去る。
きゅっと指先でひとなですると、薔薇の実はつやつやした茜色に輝いた。

懐かしい夕焼けみたいな色の薔薇の実を見ていると嬉しくなる。
このひとつひとつが薔薇の花だったのだと思うと不思議な感動に包まれる。
はちきれそうなまん丸に命を感じる。
小さいころ読んだ童話「モモちゃんとプー」の本の場面を思い出した。

おなかに赤ちゃんがいるのにママは階段から落ちてしまい
夢の中で暗い荒野をさまよっていた。
「赤ちゃんは死んだのかしら。そうよ、こんなに暗いのだもの。」
そのとき、ひと筋の光が空から降りてきて、ひとつの薔薇の実を照らしていたのだ。
丸く愛らしく茜色に輝いていた薔薇の実の中に命があるのをママは感じた。
「命があるのですね。だからこんなに燃えるように赤く輝いているのですね。」
そして生まれた赤ちゃんは、アカネちゃんと名づけられた。

それを読んだときも、それからずっとあとまで、
私は茜色の薔薇の実を見たことはなかった。
自分の庭で咲いた薔薇が実らせた実を初めて見たとき
つやつや生き生きとまん丸で、はちきれそうでかわいくて
「これが茜色。これが命の実なのだ。」と愛しく思った。

春の花が、そして夏が育てた大切な実をひとつずつ手に取った。
きれいな枝のものは数本ずつ束ねてご近所さんたちにさしあげた。
リースに使うので、もらっていただく約束だったのだ。
赤い小さいブーケは喜んでもらわれていった。
ころころと箱に入れた、実だけ切り取ったものはどうしよう。
おととしは大豊作だったので、ジャムとお酒にした。
去年は長い枝ごと切り取ってリースを作った。
今年はお茶にしようかな。
ローズヒップティー、どうやら美容にもいいらしい。
自然の恵み、茜色の薔薇の命をおいしくいただいてきれいになろう。


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