ひとりごと
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歯が痛い… 2003年11月25日(火)

1ヶ月くらい前から、なんとなく奥歯がうずいていた。
でも風邪のせい、熱があるせいだと思っていた。
実際、何年か前、歯が痛いので歯医者さんに行っても異常がなくて
「熱があるのではないですか?」と言われて(本当にそうで)
歯磨きだけして帰ってきたことがあったのだ。
今回もきっとそう。
だって鏡で見ても、どこも虫歯になっている様子はないのだもの。
すっきりと風邪が治れば、歯痛も治るはず。

ところが昨夜、ついに右の奥歯に穴を見つけてしまった。
歯のてっぺんではなく、横っちょ。
歯茎のすぐ上に、ぼっこりと穴があいていたのだ。
あぁ、これは痛いはず。
穴があいているとわかると、よけいに痛くなった。
すぐに歯医者さんに行きたくなった。
風邪なら寝ていたら治ることもあるけれど
歯だけは放っておいて、自然に治ることはないものね。

今朝一番で、かかりつけの駅前の歯医者さんに電話して予約を取った。
早く、早く治してもらいたい。
外は久しぶりのざんざん降りだけれど、雨だからと言ってこれはキャンセルはできない。
大雨の中を走るバスに乗って、ちょっと気の重いお出かけだ。
早く治療はしてもらいたいけれど、やっぱり歯医者さんに行くのは楽しくない。

バスは予約時間の30分も前に駅についた。
歯医者さんと同じビルにある本屋さんで時間をつぶした。
とてもかわいい猫の絵に惹かれて、本を1冊買った。
そしてエレベーターで3階に上がり、歯医者さんのドアを押した。
ちょうど1年ぶりの受付に保険証と診察券を出した。
長椅子に座り、買ったばかりの本を読もうと取り出したとき、名前を呼ばれた。

案内されて、診察椅子に座る。
すかさず紙製のエプロンをかけられ、椅子が倒された。
カルテを見ながらいつものお医者さまがみえた。
「1年ぶりですね。今日はどうされました?」
私はかくかくしかじかと説明し、ここです、と口をあけて指し示した。
「あぁ〜。大きな虫歯になっていますね!麻酔をしましょう。」

痛くない痛くない、と心の中で唱えているうちに麻酔の注射は終わった。
歯茎もほっぺたも感覚がなくなってくる。
もちろん歯の痛みは全然ない。
そこをガーガーと、あのドリルで削るのだ。

ガーガー!
チュイーン!
ギリギリギリ!
機械の先を何回も取り替えて、私の歯は削られていった。
どんなことになっているのか、恐いので想像はしない。
ただ大きく口を開けて、目をつぶっているだけだ。
治療が終わったら、あの猫の本が待っている。
あれを読むのを楽しみにがんばろう。

「結構深くて神経まで行っていました。神経を抜きます。」
と、先生が少し悲しそうな声でおっしゃった。
「はぁ…。」
と、私は感覚のない口で返事するしかない。
神経を抜くと、ただでさえ質の悪い弱い歯が脆くて欠けやすくなる。
それでも仕方がない。
お医者さまが一番いいと思われるように治療していただかなくてはいけない。

ガリガリと歯の中を削り、ピンを刺してレントゲンを撮った。
薬を詰めて、とりあえず穴をふさぎ、今日の治療は終わった。
「しばらく通ってください。こちらの歯は使わないように。
 それから、痛むかもしれないので薬を出しておきました。」
と先生はおっしゃった。

受付で、会計と次回の予約をした。
「とんぷく薬」と書いた紙袋を渡され、「痛んだら飲んでください」と言われた。
「それから、とっても痛むようだったら予約の前でもすぐに来てくださいね。」
と、受付の女性に念を押すように言われた。
う〜ん、これは本当に痛みそうだ。
脅かされたようで、ちょっと恐い。

全然小降りにならない雨の中、またバスに乗って頬を押さえながら帰った。
頬の感覚はまだないけれど、熱を持っているのがわかる。
ちょっと削って、詰めものをして、すぐに終わると思っていたのに
面倒なことになったものだ。

夕方になり、麻酔が切れて案の定痛んできた。
歯が脈を打っているようにずきんずきんと痛む。
頬を押さえてぐったりと横になって耐えた。
悔しいけれど(なぜか悔しい)薬を飲もうか。
これでは猫の本を読む気にもなれないもの。

そのとき、夫が帰ってきた。
「かわいそうに〜。」と笑っている。
「ああ。これは腫れているわ。」と、おかしそうに私の顔を覗き込み
ポストから取ってきた郵便物を渡してくれた。
目が覚めるような青い海と幸せそうなカップルの写真が見えた。
私は飛び起きた。
友だちの結婚の報告の葉書だった。

嬉しい!
きれい!
あー、素敵だ。
幸せそう♪

痛みが和らいだ気がした。
起きたついでに薬を飲み、ゆっくりと葉書を眺めた。
本当に嬉しい。
夫にも見せ、テーブルの上に飾るように置いた。
猫の本を読む元気も出てきた。
単純な私。

それでも教訓。
痛みは我慢しないようにしましょう。
歯医者さんには早めに行きましょう。


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