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----------2005年05月15日(日) 扉を探せ

異次元への扉が開いたのかもしれなかった。

いつもどおり海綿が緑色の自転車で駆けつけると、忘れ去られたはずの空き地にはありとあらゆる品物がごちゃごちゃにぶちまけられていた。古い時計、古いレコード、よれよれのシャツ、破れかけのジーンズ、壊れかけのラジオ、薄汚れたぬいぐるみ、麦藁帽子、そして何故か新鮮な野菜。

そしてどこからか突如としてわいてきた、人の群れ。

海綿はチリリと自転車のベルを鳴らす。サングラスの奥からぎろりと睨みつけてみせる。舌打ちをしたかもしれない。とにかく急いでいた。なぜなら海綿は、氾濫する物とそれに群がる人をかき分けて、ただ海綿だけを待ち構えている、海綿だけに開かれている扉を探さなければならなかったから。

要するに、会社への扉。

忘れ去られた空き地では、時折フリーマーケットが開催される。その日には1階のコンビニでお弁当が売り切れ、近所のマクドやサブウェイも満員になる、ということを、海綿はすっかり忘れ去っていた。

ルールその15:チケットは早めに手配すること。