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----------2005年05月05日(木) 混乱しはじめた!

「おいっ、海綿!」

と自分を呼ぶ声が聞こえたような気がして海綿はコンピュータの電源を落とした。それまで部屋に満ちていた低く鈍い音が止み、空気がしん、とする。けれど人の気配は感じられない。

「おいっ、海綿、そんなことをしてる場合じゃあないだろう。おまえはもう5日間もそうしている、おまえにはあと26回しかチャンスはないんだ、それだっていつどんな理由で剥奪されるか分からない、なんていったって契約書には『海綿に31回のチャンスを与える』とは明記されていないんだからな。時間は有効に使え。」

確かに声は聞こえる。だがそこには誰もいない。猫が2匹丸くなって眠りこけているだけだ。それに契約書にサインをした覚えもなかった。「更新予定/更新しない」と書かれた紙の「更新予定」にマル印をつけて印鑑を押したのは確かだがそれはあくまで予定であって、「更新します」という意志を示したわけではない。

そうか、契約書を受け取って5日以内に異議申し立てをしなかったから追認したことになるのか、とひとりごちてから海綿はまたコンピュータの電源を入れた。だいたいこれは仕事なのだろうか? だとしたら自分はいったい何に、誰に、何のために雇われているのか? 

・・・海綿は混乱しはじめる。

ルールその5:待機電力をあなどらないこと。