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----------2005年05月02日(月) ツツジの森を抜けて

こんなところに咲いているツツジは排気ガスで汚れているから蜜を吸ったりしてはいけない、と教師に叱られた記憶がある。けれども年に一週間しか公開されない浄水場のツツジはどうだろうか。それはまるで森だった。赤い森、白い森、薄ピンクの森。ツツジという花が苦手なのは群れて咲くからだ、という結論に海綿は達した。だから蜜を吸うなんてことももちろんしなかった。

浄水場の近くにはすぐに水位が上がって列車を止める川が流れている。犬を連れて散歩に訪れる人、ゴルフの練習に打ち込む人、アコースティックギターを爪弾く人、その傍らを澱んだ水が音も立てずに流れていく。靴に砂が入り込んでくる。これは自然の土手なのだろうか、海綿には判断することができない。三人組のおばはんどもが騒々しい声をあげながら小さな紫色の花を摘んでいく。「こんなとこにまだこんな自然が残っとるんやなあ」、と言いながら花を摘んでいく。その花はどうせ安物の花瓶に入れられて狭苦しい食卓に飾られ、萎れれば黒いビニール袋の中に放り込まれ、そうして誰も思い出さない。

ルールその2:MDウォークマンは常にフルに充電しておくこと。