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----------2005年03月05日(土) 家族ごっこ
「まったくの無関心のために何も感じない者は、結局、何らかの振りをしなければならない・・・ぼくがあなたたちと一緒にいる場合が、まさにそうなのだ・・・ぼくはレーオを憎む振りをする・・・母親を愛する振りも・・・」(モラーヴィア「無関心な人びと(下)」/岩波文庫)
嵐が過ぎてしまえばいつものごとく、食卓には食べきれない量のオムライスが並んでおり、朝6時まで眠れなかった私をその鮮やかな黄色い色であざ笑っている。そのうちのひとつを手にとって投げつけたい衝動に駆られる。
だけどもう分かっている。真夜中の嵐は私一人だけが覚えていることで私が口をつぐんでさえいれば二度と表面には現われないものであることを。
「家族」である振りを続けること。
・・・此処にいれば無関心になり続けるばかりだ。今日も冷蔵庫の中でたくさんのタマゴの賞味期限が切れていく。きゅうりがしなびていく。知らない、知らない、口を開けばまた、諍いが起こるだけだ。
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