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----------2005年03月03日(木) ただ、生きるために

「人々は生きるためにこの都会へ集まって来るらしい。しかし、僕はむしろ、ここではみんなが死んでゆくとしか思えないのだ。僕はいま外を歩いて来た。僕の目についたのは不思議に病院ばかりだった。」(リルケ「マルテの手記」/新潮文庫)

たいていの駅前には「クリニックビル」がある。私が通ってるR耳鼻科もそんなクリニックビルの3階にある。2階は内科、4階は泌尿器科、5階は歯科、6階は皮膚科。交差点をひとつわたればまた別のクリニックビルがあり、そこには神経科、整形外科、眼科などがあるようだ。その近くには日赤病院がありもうちょっと行けば警察病院が、そうしてNTT西日本大阪病院がある。まさに病院、病院、病院だ。

それだけの病院の待合室では患者が並び、診察を待っている。それだけの人々が、病を抱えながら、生きている。

「―生きることが大切だ。とにかく、生きることが何より大切だ。」(同上)