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----------2005年02月24日(木) 吝嗇にして貪欲
「ノーの代わりに、構わないに決まってるじゃないかと言う欲望。自らの拒絶を各個爆破する欲望。吝嗇からも貪欲からも解き放たれ、多系的な支出、乱脈経理、乱費、浪費に溺れる欲望の不死鳥。」(フェリックス・ガタリ編「「30億の倒錯者」/インパクト出版)
吝嗇でありなおかつ貪欲でもあるしみったれた欲望。陳腐で、軽薄で、くだらない。「喚起される欲望」にはもううんざりだ、「生起する欲望」はいったい何か、何が自分の中から湧き上がってくるものなのか、私はいったい本当は何を欲しているのか、
分からない、分からない、分からない。
街の中でまた迷子になった。
だから手当たり次第にものをつかんだ、そうして自分のものにした、変わったデザインのものに思えたスーツは案外安っぽいつくりで、トラッドなスーツはワードローブにまったくそぐわない、ふんだんにレースを使ったカットソーはいったいどうやってクリーニングに出せばいいのか迷うだけ、パイソンのハイヒールなんてそんなものが映える服はすべて捨ててしまった、もうなんだかすべてがちぐはぐだ。
「支払いどうすんだよ・・・」と青い顔をしてうろたえる自らの吝嗇を、「構わないに決まってるじゃないか」、と頬を引きつらせながらでも爆破してやりたかった。だけど偽物の欲望にそんな破壊的な力はなかった。所詮踊らされているだけだ。
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