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----------2005年02月05日(土) あんたいったいだれ?
「こうして、社会的主体は、「人工の代替器官をつけた神のようなもの」として思い描かれることになる。このような「神」が持つ空想的な人工の手足は、生まれながらにして<運命>によって与えられている、より劣った手足の代わりとなる。文明は、空想を現実化したような身体や、おとぎ話を思わせる諸力を主体に与えるのだ。」(ジョアン・コプチェク「わたしの欲望を読みなさい」/青土社)
もうなんだかすべてがいやになってきた。いろんなものに肥大させられている自分が。本当の私はベッドから起き上がることもできないくらい疲れていて弱々しいのに、服を纏い化粧をのせてヒールを履いた「社会的な」(それは失笑を誘うような言葉ですらある)私は、さまざまなツールを操って本当の自分ならば持てるはずもない力をかざしてみせる。
どうして私が九州の南の端っこにいるはずの頭の悪い代理店の店員と話すことができるのかを考えるとめまいがする。いったいどんな目に見えない力が自分に宿っているのかを考えるともっとめまいがする。本当の私は部屋のベッドで眠っているのに、「社会的な」私は何百キロも離れた土地の人間にある種の権力を帯びた存在として(その権力はなんら私の本質に属するものではないにも関わらず、だ)「もうすでに6回線でご加入いただいてますのでこれ以上の追加はお受けできかねます」と高飛車なことを言い放つだけの力を有している存在として現前する。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
おまえはいったい何者なんだ? あんたいったいだれ? 本当はいったい何ができるの、何を知ってるの、何を持ってるの?
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