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----------2005年02月02日(水) with my little grey eyes
「わたしはどこへ行くのか? わたしの精神のなかで飛び狂う昆虫を函の中に固定するピンを求める旅にむけて。おそらくは死にむけて。」(トリスタン・ツァラ「愛・賭け・遊び」/書肆山田)
ささやかなる敬意を込めて。>U
さあ灰色の目で何処へ行こう、何を見よう。こんなにささやかなことで「世界の色が変わる」ならそれはなんともお手軽なことだ、何も変わらない、灰色の地下鉄も灰色のビルも見なれた画面も何も変わらないけど、灰色の目にあわせて全身を真っ黒のぞろっと長い服に包んで9センチのヒールを履いて出社したら周りの目は確かに変わった。もしかするとそれは思ったより簡単に変わるものなのかもしれない。
・・・なんだか周りを「裏切った」みたいで楽しかったの、「どっか行くの?」と尋ねられても「ちょっとね」とお茶を濁すことくらいしかできないんだけど、終業と同時に端末落として地下鉄に駆け込み、向かった先は中央図書館だったりするだけのことなんだけど。
そうしてそこであたらしい昆虫を見つける、私は詩人じゃないからピンはそのへんに落ちている言葉を使えばそれで足りる、一匹、二匹、と見知らぬ昆虫を数え上げて白い紙の上に留めていく、そんなことを繰り返しているうちにいつか私は向かうべきところへ向かっているだろう、という淡い期待を込めて。>S
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