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----------2005年01月16日(日) Plug in Baby
「my plug in baby crucifies my enemies when i'm tired of giving my plug in baby in unbroken virgin realities is tired of living...」 (「Plug in Baby」/MUSE from「ORIGIN OF SYMMETRY」)
ギターを弾こう、と決めてウキウキしながらホントウに飛ぶように地下鉄に駆け込んだら帽子をかぶった男の子が膝の間にフェンダーのギターケースを大事そうに抱えて座っていた。ネックの部分に添えられた手は、割ときれいな手だったのだけれど。
でも違う、私の思うギタリストの手じゃない、彼の手は、もっと細くて、白くて、繊細で、神経質だった。しなやかに、よどみなく、正確にフレットをたどっていくあの細くて長い指は今いったい、と逸れ始める思考を「Plug in Baby」が引き戻す。
・・・でも今こうして少し・・・ウソ。かなり、ズキズキと痛む左手の指を動かしているとあの手がまた私を招きはじめる、闇の奥、虚空からそっと手を差しのべてくる。そういえば昔、ずっとずっと昔、手のひらをあわせて、手の大きさをくらべっこしたことがあったっけ。
冷たい手だった、ように思う。どうして覚えていないのだろう。どうして私はあの手を握ったことがないのだろう。どうしてあの手はあんなに遠いのにどうしてこんなに近くに感じられるのだろう。今にも其処に、此処にありそうな、そんな予感が何年経っても消えないのはどうしてなんだろう。
どうしても実在だけが足りないのなら電気仕掛けで作ってしまえばいいじゃないか、と今ちょうど「未來のイヴ」を読んでいるので思う。今夜はすべてが繋がっている、私と、彼の、手だけをのぞいて。
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