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----------2004年12月29日(水) 感染しますよ

「・・・誰でもめいめい自分のうちにペストをもっているんだ。なぜかといえば、誰一人、まったくこの世に誰一人、その病毒を免れているものはないからだ。そうして、ひっきりなしに自分で警戒していなければ、ちょっとうっかりした瞬間に、ほかのものの顔に息を吹きかけて、病毒をくっつけちまうようなことになる。」(アルベール・カミュ「ペスト」/新潮文庫)

このさいペスト、を「アンコク」に置き換えてもらってまったくかまわない。

つまりそういうことである、アンコクな顔をしているとただそれだけのことで隣にいる灰色がかった人を真っ黒に染めてしまい、爽やかな緑色をしている人をより深い、暗い暗緑色へ引き込み、すがすがしい水色をした人の端っこに染みをつけ、ピンク色に頬を染めている人に昨夜彼女が見た夢に出てきたかもしれないクロネコを思い出させて不吉な予感を抱かせてしまうのである。

だからホントウは口を噤んでいなければならない、それでなくてもあまり幸福ではない世の中で、アンコクの感染は最小限に留めておくことが人間としての責務である、と思うのだけれど

でもさあ、今月3日に来たはずのセイリがだよ、今日また突如襲いかかってきたりとかだよ、西日本の案件だけでもうパンク寸前なのに東日本が完全に機能停止してしまってヘルプに入らなきゃならなくて11時間も延々住所登録しなくちゃならなかったりだとかだよ、っていうことは当然明日も明後日も11時間労働は決定なわけだよ、それもセイリツウ決定なわけだよ、もう歯ブラシすら買いにいけないわけだよ、そりゃあ私がどれだけ注意深い人間であったとしたってアンコクのため息は領域侵犯をはじめてあなたの色を変えてしまいますよ。

もうこれは「今年中にすべての苦しみを味わっておけ」という神様の啓示なのかな、と。

アンコククライマックスです。