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----------2004年12月20日(月) 憎悪よりは軽蔑
「ねえ君、僕が人々を憎むのは、彼らを軽蔑しないようにするためなんだよ。だってそうでもしなけりゃ、人生はあまりにもいやらしい喜劇じゃないか。」(レールモントフ「現代の英雄」/岩波文庫)
岩波文庫は名著をすぐに絶版にすることで名高いけれどもそりゃまあ160年以上も前に書かれた一篇の小説を後生大事に崇め奉る必要もないだろといわれりゃ、ない。こんなのいつ読んだんだっけな、私ももう忘れちゃったよ。
憎悪よりは軽蔑、そんな時代なんだから仕方ない。
憎しみには体力がいる。その分何かを生み出しうる可能性もある。反抗、反逆といった力の源にもなりうるだろう。けれどあらゆる反抗、反逆が虚しいと証明された21世紀にぺチョーリンはもう英雄にはなれない、そもそも「英雄」という概念じたい時代遅れだ。
ほんっとうにいやらしい喜劇しか転がってないな、何処を見渡しても。
そうして次にやってくるのはそこらじゅうに軽蔑をまきちらす自分へのアイロニックなこき下ろし。喜劇の登場人物にすらなれないくせに。
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