彼の苛立ち
仕事が一段落したのか、私がまた普通に話すようになり
安心したのか、社長が不穏な発言。
俺、ようちゃんがああ言った時気づくべきだったんだよ。
今頃、何言ってるのかと続きを促すと
俺、厄年なんだってこと。
そう来たか・・・
前厄だと去年言ったし、お札をもらいに行った時は
今年、本厄だと言ったのに。
やはり聞いていなかった。
最近、ようちゃんとスキンシップをしてないし。
意味不明だ。
東京に来たら出かけようって言ったろう?
旅行も行きたいよな。
温泉行こうか?
大阪にいつ帰るの?一緒に行こうか?
能天気なのか、気づかないフリをしてるのか
とにかく意味不明だ。
あのね、私と貴方は社長と部下の関係です。
むやみに触れるとセクハラで訴えますよ。
バシッと言ってやりたかったけど穏便に済ませた。
たまには一緒にごはん食べようよ。
延々と言い続けていたけど、バーレーン戦を見なければ
いけないので、お先に失礼と帰って来た。
彼は、疲れがピークに達しているようで
暗いメールを送ってきたけれど
それでも、昨夜も今夜も電話をくれた。
私と話して、少しでも笑ってくれて、気分転換になれば
いいと思う。
彼は過労になると、辛辣さが倍増する。
前はそれに腹が立った。
今回の彼は、投げやりな中にも気遣いがある。
無理しないで眠ればいいのに、夜中に電話をしてくれる。
東京で彼の知らない場所へ行き、彼の知らない時間を
彼の知らない人と過ごす。
もどかしいだろうし、苛立つだろう。
なのに、私の話に付き合ってくれる。
2ヶ月以上逢えなくて、これで付き合ってると言えない。
そう思ったのは数年前のこと。
なのに今は、逢えなくても仕方ない、逢えなくても
声を聞けると思っている。
やはり東京は通過点だと思うから、そんなに焦らないで。
私はどこにも行かないから。
2005年03月30日(水)
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