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2005年10月25日(火)
つばさの機嫌が悪いところ見た事無い。
そんな風に言われるような性質だったら、どんなに良いかと思いますが、この2年ほどは怒っている歴史のようなものです。 それでも八つ当たりというものをあまりしない人だったのに、今日は自暴自棄の初体験をしました。
うちのサポートメンバーは優秀で、1コールとも鳴りっぱなしにはさせないと言う信念の中、すごい勢いで電話を受けるのですが、鳴りっぱなしをとうとう見過ごさなくてはならない件数と人数になった事に対して、不満がブレイクしました。
つばさはこのままではみんなが辞めてしまうので、1名で良いから増員してくれるように。 そう鬼さんのところへ訴えに言って、返って来た言葉はこれでした。 「もうあんたはサポートやらなくても良い。営業に回って」
下の不満が抑えられないから、理由はきっとそんなところでしょうか。尋ねもしませんでしたが。
息が止まりました。 本気で息が止まりました。 息を吐いたら怒鳴りだしそうでした。 それでも絶句する分別が自分にあった事の方に驚きを感じるくらいでした。 鬼さんと交じり合える日々は来ないと直感した瞬間でした。
この人にはつばさの話は通じない。
怒鳴りだす代わりに、何とか声を出そうと思うのですが、怒声にしかならないテンションなので、「でも、人数が……」と搾り出すのに2,3分かかりました。
所属劇団の舞台オーデション合格後にもらった、自分の登退場しか書かれていない台本を受け取った時以来のショックです。 あの時は生まれて初めて椅子から落ちそうになりました。 (10年選手に登退場だけだったからです。この後あんまり腹が立って主役級の役にしてしまいましたが) 今日は生まれて始めて息が止まりました。 そして猛烈に湧き上がってくる怒りに怒鳴りださなかったのも初めての経験です。
つばさほど失うものが少ない「性格」をしていると、鬼さん一人傷つけて(傷害ではないので念のため(笑))、会社に後ろ足で砂をかけて飛び出したからと言って何も損は無いのです。
でも、息が止まって絶句している間は「5分以内に退職届を出そう」と言う考えがほとんどを占めていましたが、最後の最後は、あの窮屈で冷暖房も空気の循環も悪い隅っこに追いやられていながらきちんと仕事をこなしている、分別盛り30代の女性達を置いて、「やってられるか」と自分だけ逃げ出すのか?と言う思いが去来したから思いとどまったのです。
つばさのこの時の決意は、3人が退職して一人もいなくなったのを見届けてから辞めようと言う事でした。 あの、労働環境とは言えないブースで、あんたは文句ばかりと思っているかもしれないけれど、きちんと出社して仕事をこなしている3人のプロ意識を、衝立一つあると理解できず「腐っている」としか理解できないなら。 この夏、見かねたある社員が「扇風機を置いてあげたい」と提案した時も「もうあれ以上散らかさないで」と切って捨てた事も。 すべて含めてもう着いてはいけない。
でも、例え、上の言いなりになっているように見えて、みんなの心が離れて行ったとしても、この会社を去るのはみんなの去就を見届けてからで良い。
席に戻って、満面の笑みで異動になるかもしれないと伝えた時に、一番絶句して顔色を失ったのは、一番仕事ができるルキさんでした。
後日、つばさは一定時間だけ外回りをして残りはサポートを続ける事になりますが、鬼さんはこの時の事を「気分転換」と言いました。
ものすごい転換しました。そりゃあもう、ものすごく。
割り切ったつもりで、割り切りきれず、今日は林家こぶ平が「九代目正蔵」を襲名披露する寄席に彼女と行って来て、九代目を継ぐ実力を発揮したこぶ平に唸って二人で感動もして来ましたが、帰りの飲み屋でちょっと荒れてしまい、家に帰って彼女への不満も炸裂して。
あっさりと4年の愛に終止符を打つ事になりました。
愚かしくて大爆笑ものです。でしょ?
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