チフネの日記
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| 2011年12月29日(木) |
子供な僕らの年越し事情 不二リョ |
明後日から不二は家族と泊りがけの旅行へと行く。 年末に会えるのもこれで最後だから泊まりに来て欲しいという申し出に、リョーマは少し考えてから頷いた。 たかが数日会えない位どうってことないけれど、不二は違うみたいだ。 泊まりに行くことでその寂しさが解消されればと思ったのだが、離れないようにとぴったりくっ付いて来る姿に逆効果だったかと肩を落とす。
「そんなに文句言うことないのに。恒例の家族旅行なんでしょ」 海外赴任している父親が戻って来るので予定を合わせて行くんだと、前に聞いた。 家族皆での参加だから、不二だけ残るというわけにはいかない。 それなのにぶつぶつと不満を続けている不二に、リョーマは溜息を漏らした。
「でも越前と初めて迎えることになるお正月なんだよ? 一番最初におめでとうって言いたかったなあ」 「そんなの携帯でも出来るのに」 しょうもない、とリョーマは返事をした。 「それに俺だって家の手伝いとかあるから、こっちに残っても年を越す瞬間に一緒にいられるかわかんないっすよ」 「えー、そうなの?」 「一応、寺なんで」
戦力外とはいえ借り出されるのは間違いない。 お前一人だけぬくぬくと部屋にいられると思ったら大間違いだからな、と南次郎に釘も刺されている。 この外泊だって年末年始の手伝いと引き換えに許可してもらったようなものだ。 面倒だと零すと、「そっかあ」と不二は抱き締めていた手を放し、頭を撫でて来た。
「お互い家庭のある身は大変だね」 「何すか、それ。意味わかんない」 「うーん、まだ僕らは子供なんだなあって思って。 家族の都合に合わせなくちゃいけない。わかっているけど、つまらないよね」
不二の口調は仕方無いなあというような軽いものだ。 でもリョーマも同感だったから頷いた。 大人になるまでは、一人で立って歩くまでは今日みたいな理由で振り回されて会えなくなることだってある。 子供って思っている程自由じゃない。
「旅行から帰って来たら顔を見せに来てよ。待ってるからさ」 「うん」
微笑んで不二はリョーマの手をsaっと取る。
「今は僕らはまだ子供だけど大人になったら一緒に年を越せるようになりたい。 越前はどう思う?」 「いいけど、それって将来一緒に暮らすってこと?」
先のことなんて考えてもいなかったから想像もつかない。 首を傾げると「そうだね」と不二は頷く。
「まず僕が先に一人暮らしするから泊まりに来て。 それからもっと年を重ねたら二人で決めた所に住むのがいいな。 どっかに出掛けるよりも同じ部屋でのんびりと除夜の鐘を聞く。 そんな風に君と新しい年を迎えたい」
にこっと笑う不二にいつのことになるんだ、なんてツッコミは入れられなかった。 だって今語った未来を想像するとなんだかとても温かくて幸せな気分になる。
(あ、そうか。俺も……)
そんな風に過ごせたらいいなと思っていたことに気付く。 このまま不二とずっとずっと付き合っていて、大人になっても一緒にいられたら。
「それ、いい案っすね」 リョーマの言葉に不二は「そう思ってくれる?」と尋ねる。 「うん。でもコタツがある部屋でならもっといいかも」 「買うよ、買う。でも大き過ぎるのは却下だからね」 「なんで?」 「だって二人でくっ付いている方が暖かいでしょ」
ね、と言って再び抱き締めて来る不二に、やっぱりそんなこと考えているのかと苦笑する。
「買う時は僕にも相談してよ。越前が勝手に買って来るのはナシだからね」 「わかってる。一緒に見に行こう」
そんな日々がいつ来るかは、今の二人にはわからない。 ただ実現出来たらいいなと、それを願うばかりだ。
「ところで、越前」 「何すか」
軽くキス去れたと思ったら、視点が反転する。 ベッドに押し倒され、上に不二が乗っかって来た。
「会えない分の越前の補充を今してもいい?」 「許可なんて関係無いくせに。 それに子供がこんなことしてもいいんすか?……今更だけど」 こうなるとは予想していたので、どうぞというように体の力を抜くと、 「問題ないよ」と不二が笑って答える。
「好き合っている恋人の間に子供も大人も関係ないから」 「ずいぶん都合のいい答えっすね」
言いながらもリョーマは笑った。 何だかんだと言いながらも会えない寂しさはこちらも同じだ。
後は翌朝寝坊にしては過ぎる位までお互い満足するまで「補充」をした。
終わり
チフネ

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