チフネの日記
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2011年12月24日(土) 2011年リョーマ誕生日話 不二リョ

「っ、くしゅん」


先ほどからくしゃみを繰り返している恋人に、不二はそっと新しいティッシュを差し出した。
「ありがど……」
鼻声で涙目になっているリョーマも可愛いなと思う。
少し熱があって表情もぼんやりしたままだ。
今すぐ押し倒したいところを、ぐっと我慢する。
相手は病人だ。
さすがに無体を強いるわけにはいかない。
「大丈夫?」
鼻を思い切り噛んだ後、リョーマはこくんと頷く。

「こんなごとになっで、ごめん。折角今日、出掛けようって提案しでくれだのに……」
「それはいいから。早く風邪を治さないと。ほら、布団に入って」
再びリョーマを寝かせて、肩まで布団を掛けてやる。

「よりによって今日、風邪を引ぐなんてついてない……」

はあ、と溜息を漏らすリョーマに、
「でも大したことなくて良かった」と不二は慰めの言葉を掛けた。
「インフルエンザだったらもっと大変だったよ。この程度で済んだと前向きに考えよう。ね?」
「けど、本当なら先輩と外出するはずだったのに」
布団を顔まで引き上げ、リョーマは小さな声で愚痴を漏らした。

「初めて過ごす誕生日だったのに、何でこんなことになったんだろ。……最悪」
うーっと唸るリョーマに、「そんな風に言わないで」と不二は布団を軽く手でぽんぽんと叩いた。

「外出なら越前の風邪が治ってからまた仕切り直そう。
好きな所に連れて行ってあげるから」
「けど、やっぱり今日が良かった」
ぐずぐずと鼻を啜りながら、リョーマは言った。

「先輩と誕生日にデートするの楽しみしていたのに。
色々考えてくれたのを知っていたから、余計風邪引いたことが許せない」

熱の所為だろうか。
普段なら言わないような素直な言葉に、不二は目を丸くする。
同時に、嬉しく思った。
一緒に誕生日を祝うことを楽しみにしていたのは自分だけじゃない。
その気持ちが不二の心をほわんと温かくする。

「誕生日ならこの先何回でも二人で過ごせるよ」
優しく子供に言い聞かせるよう、枕元で語り掛ける。
「その中の一回が風邪で潰れただけだ。って思うと、大したことじゃないでしょ?」
僕は側にいられるだけで満足しているよ。越前は違うの?」
するとリョーマはおずおずと布団から顔を出した。

「違わない……。先輩が見舞いに来てくれて、看病までしてくれて嬉しいっす」
「でしょう?だったら気持ちは同じだ。
デートしなくても、幸せなんだからいいじゃない」
笑って告げると、リョーマは静かに頷いた。

「さ、もう眠って。風邪を治したら改めてお祝いしよう。
それまで安静にしていること。いい?」
「わかった」
「越前が眠るまで、側にいるからね」
「うん」

お休みと、リョーマの額に軽くキスをする。

「誕生日おめでとう、越前」


穏やかな寝息が聞こえるまで、約束通り不二はリョーマの側から離れなかった。

勿論、後日誕生日のお祝いをやり直して、二人共たいそう幸せな時間を過ごしたのは言うまでもない。


終わり


チフネ