チフネの日記
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2004年06月21日(月) 久し振りの天使不二と王子18

「リョーマさん、朝ですよー!」
菜々子さんの声に、目を開ける。
えーっと集合は10時だったっけ?
今、何時だろう。

「げっ!!」
布団を跳ね除けて置き上がる。
カルピンがびっくりして逃げて行ったが、それどころではない。

これじゃ登録に間に合わないんじゃないか!?
と、とにかく連絡しないと!

電話に出た大石先輩に、上手い事言って会場へと駆け出す。
「何とかするから、とにかく早く来てくれ」
何とかするって、どうするんだろ。
でも大石先輩の言葉を信じて、走るしかない。

・・・きっと試合終わった後、「グラウンド50周だ!」って言い渡されるんだろうな。ハァ。





「グラウンド50周だな」
ぐりぐり拳を頭に押し付けてくる桃先輩に、痛いって抗議する。

しかし堀尾を身代わりにするとは。人選ミスも良い所だよ。
俺の振り調子こいていたんで、海堂先輩には悪いけどわざとジャージ汚してやった。
返却する時、困るだろうな。ザマミロ。
って言ってる場合じゃないか。
眉間に思い切り皺を寄せた部長が、こっち見ている。
「説教は後だ。すぐに試合できるな?」
「ウォーミングアップはバッチリっすよ」
「なら、行って来い」
「ハイ」

あーあ。この所、遅刻返上で頑張っていたけど、全て無に帰ってしまった。
部長も呆れているんだろうな。

あんまり部長を失望させることはしたくない。
あの高架下で、俺にとって大切なことを教えてくれた人だから、
部長の前ではちゃんとしていたかった。

だけど試合に遅刻じゃ・・・・フォローの仕様もないか。

せめて対戦だけはと思い、6−0で完勝した。






「おチビー!よくやったにゃ!」
菊丸先輩になんだか熱烈に迎えられ、ぎゅっと抱きしめられる。
「でも試合に来なかったら意味ないんだぞー」
「わかってるっすよ!」
ふぅ。当分言われちゃいそうだなあ。

「よくやったな」
「あ・・・ハイ」
突然、菊丸先輩の横から出て来た部長に、驚いて目を見開く。
それ以上、何も言わず部長はラケットを握ってコートに行ってしまった。
ああ、S1は部長なんだ。オーダー見てないから初めて知った。
初戦だし、地区大会の時みたいにてっきり補欠かと思っていたよ。

「珍しいー。手塚が褒めてたにゃ!」
まだ俺に抱きついたままの菊丸先輩が、なんだかうるさい。
「こりゃ、雨でも降るかも」
「どういうこと?」

目はコートの部長を追ったまま、尋ねる。
部長の公式戦。見るの初めてだな。
入った途端、周囲が静かになる。それだけ注目されてるってことか。

「んー、手塚って誰かを褒めることって今まで無かった気がするんだにゃー。
そりゃ、相手を引き上げる発言はするけどね」
「へぇ」

その間にもノータッチエースは続く。
ああ、でも力の差は歴然としているじゃないか。
これじゃ面白い試合展開にはならないだろ。

「すごい!相手に1度も触れさせていない!」
圧倒的な部長の力に、皆呆然となってるけどそれは違う。
相手が弱過ぎるだけなんだってば。

「部長の実力はこんなもんじゃないよ」

思わずぽろっと、本音が漏れる。
そうだよ。
俺が負けたくらいだから、この程度でスゴイなんて言われちゃ困るんだよね。


「へぇ」
ふと気付くと、不二先輩がこちらを見ていた。
久し振りに俺の近くに来た気がする・・・。

「うん、まだまだ今のは準備運動だね」
「ええー!そうなんすか!」
だけどすぐに不二先輩の目は、堀尾達に向けられてしまった。
騒いでる連中に、「そうだよ」なんて調子を合わせてる。

なんだよ。俺の方見てたくせに、そっちを構うんだ。
ふーん。

「おチビ?黙っちゃってどーかした?」
「どーもしません!」

振り回されてるのがバカみたいだ。


チフネ