明けて二日。穏やかな晴天に恵まれる。
窓辺で陽射しを浴びながら本を読んでいた。
椎名誠の愉快なエッセイである。
堅苦しさが無く気楽に読めるのが良い。
文学には程遠いが私には似合っているような気がする。
肩の力を抜こうと思う。今年はそんな年にしたい。
朝のうちにやっとお大師堂へ初詣。
年末から疎かにしていたことがあってとても気になっていた。
Sさんに電話したら「俺に任せちょけ」と言ってくれて
鏡餅をお供えしてくれたり花枝も新しく活け替えてくれる。
トイレ掃除も出来なかった。なんとも心苦しい限りである。
今朝は千両を持って行ったら誰かが南天を添えてくれていた。
お堂の中はすっかりお正月になっておりなんとほっとしたことか。
皆が気にかけてくれていることがとても嬉しく思う。
協力し合ってのこと。なんとしてもお堂を守らねばならない。
10年後、20年後を思う。お参り仲間さんも高齢になるだろう。
この私にしろ生きているとは限らないけれど
後世に残せるようなお大師堂で在り続けて欲しいと願ってやまない。
午後、母の施設の介護士さんから電話があり
母が転倒し腰を痛めたらしい。幸い骨折は免れたようだが
痛みを訴えており湿布薬で様子を見ているとのこと。
気になったのですぐに母に電話をしたら思ったよりも元気そう。
「転んだろ?」と問えば「さあ覚てない」と惚ける。
「正月やにお餅も食べれん」と言うので少し憐れでもあった。
高齢者ばかりの施設のこと喉に詰まらす事故を防ぐためだろう。
「昨夜はお刺身を食べた」と。好物なので嬉しかったようだ。
施設で新年を迎えたのは二度目だろうか。私の記憶も定かではない。
母の存在までもが薄れていくのがとても切なく思えて来る。
母は幸せなのだろうか。新年を迎え何を祈っているのだろうか。
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