朝のうちは陽射しがあったが午後から雲が広がる。
気温はさほど低くはなかったけれど肌寒くてならない。
仕事を終えていつものスーパーに寄ったら
地元の農業高校の生徒さん達がシクラメンの店頭販売をしていた。
なんと鮮やかな色。一鉢でも買い求めたかったが諦める。
安価であったがやはり贅沢品だなと思ってしまった。
そんな気持ちが空しくてならない。情けなくてならない。

今朝も訃報が。同級生のT君が昨夜亡くなったとのこと。
入浴中の事で心臓麻痺ではないだろうかと言う。
ヒートショックも在り得るが詳しいことは分からなかった。
突然の訃報で胸が痛んだけれど悲しみとは少し違っていた。
漠然と「やはり人は死ぬのだな」と思う。
遅かれ早かれそれは自分の身にも必ず襲って来ることである。
T君とは小学5年生の時の同級生だった。
瘦せぽっちで背が高く皆から「ガイコツ」と呼ばれていた。
そんなあだ名にもめげず朗らかで明るい少年であった。
私の親友のYちゃんが好きでよくちょっかいを出していた。
恋の告白などまだ出来ない年頃のことで懐かしくてならない。
おとなになって再会したけれどたまに顔を見かけるだけで
「おい、元気なかや」と。互いに笑顔を交わすだけであった。
役場に勤めていたけれど早期退職をして米農家になっていた。
奥さんと二人三脚で今年も稲刈りを頑張っていたと聞く。
子供はいない。残された奥さんはどんなにか寂しいことだろう。
こんなにあっけなく逝ってしまうとは思ってもいなかっただろう。
冥福を祈りつつ少年の頃のT君を思い出している。
おどけた顔をして今にも駆け寄って来そうな気がしてならない。
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