曇りのち雨。気温は低めで冷たい雨となった。
寒さのせいか気圧のせいか左足がずきずきと痛む。
この先耐えられるだろうかと少し不安になる。
なんとか歩くことは出来る。歩けなくなったらお終いだ。
弱気になってはいけないなと思う。気を強く持ちたい。
命に関わる事ではないのだ。私はしっかりと生きている。

山里では義父がお葬式に。家族葬ではあったけれど
故人の娘さんから是非にと頼まれたようだ。
喪主となった娘さんもどんなにか心細かったことだろう。
義父は少しでも力になってあげたい気持ちでいっぱいだったと思う。
なんとも寂しいお葬式だったようだ。
お棺に添える生花も無く義父が急きょ「お供え」をしたらしい。
故人は元気だった頃の面影は全く無かったと言う。
いつも明るくて朗らかな人だっただけに憐れでならない。
遺骨を娘さんの嫁ぎ先に納めてはいけないと言われたらしい。
そんな仏教のしきたりがあることなど知らなかった。
かと言ってもう誰も住んでいない家にどうして納められよう。
遺骨は仕方なくすぐに埋葬することになったのだった。
先祖代々のお墓はあるけれど納骨堂ではない。
お墓の周りに穴を掘って土葬にするしかなかったようだ。
義父はその役目を快く引き受けていた。
火葬場から帰るなり作業服に着替え長靴を履きスコップを持つ。
雨が降り始めていたけれど合羽も持たずに出掛けて行った。
そんな義父の姿に最後の最後まで「尽くす」ことを学んだ気がする。
故人の魂は今どこにいるのだろう。
冷たい土の中だとはどうしても思いたくない。
それではあまりにも可哀想でならなかった。
娘さん夫婦と可愛らしいお孫さん達。
唯一の家族に囲まれてきっと微笑んでいるのだと信じたい。
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