女心と秋の空と云うがにわか雨も降り青空も見える。
夏の名残りの入道雲も見え空は賑やかであった。
今日もみい太が愉快。義父の側から片時も離れず
「にゃおんにゃおん」と鳴きながら追い掛け回していた。
朝ご飯は食べていたけれどもしやと義父が餌を与えたら
がつがつと食べお皿までぺろぺろと舐めているのだった。
食べ盛りなのか食いしん坊なのかなんとも微笑ましい。
義父の穏やかな顔がまた良い。ほっこりと心が温まる。
猫の居る暮しはこんなにも幸せを感じるものだったのか。
みい太がまるで天使のように思えてならなかった。

母がお世話になっている施設から電話。
コロナは完治したけれどその後もずっと食欲が無いらしい。
栄養面の心配があり毎日点滴をしているとのこと。
それもあまり長く続けると心臓に負担が掛かるのだそうだ。
「どうしますか?」と訊かれたけれど何と応えれば良いのだろう。
主治医の判断に任せるしかなくどうすることも出来なかった。
コロナの後遺症とも考えられ長期戦になるのかもしれない。
帰宅してすぐに母に電話をしてみた。
そうしたら点滴なんかしていないと言い張る。
「薬だと思ってご飯を食べんといかんよ」と言ったら
「ビールが飲みたい」とまるでふざけたように応えるのだった。
母はどうやら食べなくても死なないと思っているようだ。
しっかりと食べて体力を付けなければいけない時なのに。
かと言って無理強いは出来ない。なんとも複雑な心境である。
これはもうしばらく様子を見るしかないだろうと思った。
声は明るく元気。それが何よりも救いだった。
そうして私や家族のことを気遣ってくれる。
「大丈夫よ、心配ないけんね」と言ったら
母の微笑んでいる顔が目に見えるようだった。
最後に「ありがとうね」と母が言った。
私も「ありがとうね」と言って電話を切った。
胸に熱いものが込み上げて来て涙がほろりとこぼれていた。
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