午後から青空となり真夏日の暑さとなる。
おひさまは元気なのが好い。心地よいほどの陽射しだった。
稲の穂が少し見え始めている。来月になればもう稲刈りなのか。
早いものだなと思いながらその逞しさに感動さえ覚える。
仕事を終えて整形外科へ。もう右足の痛みは全く感じなかった。
医師も驚き予定していた注射はもう必要ないだろうと言う。
けれども石灰の沈着しやすい体質なので今後も要注意とのこと。
それはやはり突然の痛みに襲われるのだそうで
怖ろしくもあるけれど「その時はその時のこと」と思っていたい。
あまり神経質になってもいけないだろう。
とにかくあっけらかんと生きて行こうと自分に言い聞かせていた。
しばらくは整形外科とも間遠になるだろうと思い込んでいたけれど
左足の股関節の痛みはまだ続いており通院を勧められる。
手術以外に治療法が無いと聞いていたので意味がないのではないか。
自然に治るとは考えられず医師の考えていることがよく分からない。
定期的に骨の状態を診た方が良いと言うので頷かざる得なかった。
一瞬「これは捉まったな」と思った。もう逃げられはしないだろう。
おそらく私は手術を決心するまで通い続けることだろう。
真っ先に経済的なことを考えてしまうのも情けないことであった。
待合室ですぐ隣に座っていた老女から話し掛けられたのだけれど
聞けば整形外科以外に内科、皮膚科、歯科にも通っているのだそう。
自宅は山奥で自動車免許も返納しバスを利用しているのだと言う。
身なりからしてさほど裕福そうにも見えずなんとも憐れに見えた。
独り暮らしだと聞きより一層不憫に思えてならない。
嘆きたくてたまらなかったのだろう。しばらく話し相手になっていた。
なんだか明日は我が身のように思えて目頭が熱くもなる。
老いることは確かにせつない。
それでもみな精一杯に生きようとしているのだと思う。
「悪いことばかりで良いことはひとっつもないけん」と老女は言ったけれど
彼女にもほっとする瞬間はきっとあるだろうと信じてあげたかった。
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