梅雨の晴れ間とはいかず空は灰色の雲に覆われていた。
近所に住む従兄弟が「やまもも」を沢山届けてくれる。
甘酸っぱくてとても美味しい。子供の頃が懐かしく思い出される。
おてんば娘だったので木に登って採ったものだった。
採りながら口いっぱいに含み種を飛ばしたりもした。
あれは友達の由美ちゃんのお祖母ちゃんの家だったと記憶している。
大きな木だった。今でも山里にあるのではないだろうか。
昔は子供の絶好のおやつだったけれど今の子供は食べようともしない。
沢山頂いたやまももはとても食べきれずご近所さんにお裾分けをした。

息子が準夜勤なのでお昼前からけい君を預かっている。
熱はすっかり下がっていたけれど夜になると微熱が出るとのこと。
気にかけていたらお風呂上がりに37℃5分あった。
本人も少し神経質になっているようなので「大丈夫よ」と言って聞かす。
今夜は我が家で早めに寝て明日こそは学校へ行かせてやりたい。
娘は仕事。娘むこは素潜り漁に出掛けていたので
日中は二階であやちゃんとずっと一緒に居て仲良く遊んでいた。
3時頃娘むこが帰って来たので二階から下りるように言ったら
あやちゃんが「どうして?」と真剣な顔をして私に問う。
「お二階はあやちゃん達家族の部屋だからよ」と応えると
ムキになった顔をして「けい君も家族やんか」と言ってくれた。
「姉弟じゃないけどいとこじゃんか」まさにその通りである。
あやちゃんの優しさが身に沁みて思わず涙が出そうになった。
けれども私達祖父母はなんとしてもそのルールを守りたい。
いくら不憫であってもけい君にけじめを付けさせたいのだった。
それがけい君の為になるではないかと不確かながら信じてやまない。
父の日だったので今夜は焼肉パーティーだった。
娘がせっせとお肉を焼いてくれてけい君のお皿にも入れてくれる。
娘も気を遣ってくれているのだ。有り難いことだなと思った。
お風呂上がりのけい君はじいちゃんと茶の間でおとなしくしている。
その静けさに少し胸が痛むけれど決して淋しくはないだろう。
先日は熱のあった夜に2ヵ月ぶりに母親に会うことが叶い
一晩添い寝をしてもらったそうだ。どんなにか嬉しかったことだろう。
けい君は決して見捨てられてはいない。皆に守られているのだと思う。
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