夕食後めいちゃんの姿が見えないなと思っていたら
土手の道でまあちゃんと遊んでいる姿が見えた。
「だるまさんころんだ」と声が聴こえている。
きゃあきゃあと楽しそうな声に思わず微笑まずにいられない。
夕陽は微かに西の空を茜色に染めつつ沈もうとしている。
燕の親鳥が巣に帰って来た。めいちゃんもそろそろお帰りなさい。

同僚が白内障の手術のため今日から2泊3日の入院。
その間やむなく職場は臨時休業となった。
私は決算処理の事務仕事等があり留守番がてら出勤していた。 。 義父は相変わらずの農作業で本業はそっちのけである。
幸いと云うべきか来客は無くなんとか一日をしのぐ。
けれども義父の経営者としての自覚をつい問いたくなる。
暗黙の了解と呼ぶにはいささか理不尽にも思えるのだった。
とにかく農作業に夢中になっている義父は大きな子供のようでもある。
とことん好きなようにやらせてあげるのが一番なのだろう。
かつては母との諍いが絶えなかった。
母は義父が農業に精を出すのをとても憤慨していて
事あることに目くじらを立てて嫌味ばかり口にしていたものだった。
お客さんから「本業を捨てたらいかん」と云われたせいもあるだろう。
その頃は私も同じ考えだったけれど決して口出しは出来なかった。
はらはらとしながら見守っていた事も今ではとても懐かしい。
稲作には全くの無知である私があれこれと訊くと
まってましたとばかりに義父は色んなことを教えてくれる。
それは嬉しそうな顔をして、私を協力者として認めているのだろう。
義父を決して不機嫌にしてはいけない。
それは少なからずストレスになってしまうけれど
笑顔の義父を見ているとほんとうに救われたような気分になる。
なさぬ仲ではあるけれど少しは娘らしくなったのだろうか。
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