梅雨入りを思わすような雨が降っている。
真っ直ぐで素直な雨である。正直なのかもしれない。
純真なのかもしれない。決して荒れすさんではいないのである。
落ちる場所を見失ってはいない。とにかくそのような雨なのである。
下校時からそのままけい君を預かっているのだけれど
夕食後、茶の間でじいちゃんに叱られたらしく
鉛筆を投げたりランドセルを蹴ったりと
ひどい怒りようで手が付けられない有り様だった。
「鬱憤」というものが子供にもあるのだろう。
その矛先を何処に向ければ良いのか途惑っているようだった。
「おまえはいいからさっさと二階へ行け」と言われて
こうしていつものようにこれを記しているのだけれど
はらはらとするばかりでどうにも落ち着かない。
男同士でケリを付けるつもりなのだろう。
それにしてもどちらかが折れないと治まりそうにない。
じいちゃんはいつまでも尾を引く性格ではないけれど
けい君はどうなのだろう。根に持つ性格なのだろうか。
まだにわか暮しのことでよく理解が出来ないのであった。
「おじいちゃんはけい君が大好きながやけん」と言ったら
「ぼくは大きらい!」と鬱憤はまだまだ彷徨っているようだ。
「けい君を守ってあげんといかんろ」とじいちゃんに言えば
「甘やかしたらいかんぞ!」とこれもまた凄い剣幕なのである。
どうやら私の出る幕は無さそうでもう口出しは出来なかった。
雨音が激しくなってきた。今夜はどれほどの雨になるのだろう。
素直なはずの雨が風を伴い荒れ狂うのかもしれない。
けれども明日は爽やかな青空が広がるのだそうだ。
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