早朝には小雨だったけれど日中は本降りとなる。
幸い風が無かったので大荒れにはならずに済んだ。
お遍路さんを数人見かけたけれど雨合羽は上着のみで
足元のズボンや靴はずぶ濡れになったことだろう。
傘を差して歩くお遍路さんは一人も見かけなかった。
声も掛けられず横顔にただ会釈を繰り返すばかり。
一方通行ではあるけれど何かが伝わるのではないかといつも思う。
仕事でパソコンのトラブルがあり四苦八苦してしまった。
私のせいではないのに義父に責められ少し落ち込む。
「出来ないのか!」と怒鳴るのは勘弁して欲しいものだ。
いつもは優しい義父がまるで鬼のように思えてしまう。
一時間程残業になり帰路に就いたけれど帰り道のダム湖に掛かる橋に
運転席に誰も乗っていない軽トラックが駐車してあった。
どうしてこんな所に停めてあるのだろうと思いつつ通り過ぎたけれど
帰宅するなり義父から電話あり投身自殺があったらしい。
時間的に私が通り過ぎる直前の事のようだった。
もう10分早く退社していたら間に合ったかもしれない。
不審な行動をしていたならきっと声をかけていただろう。
もしかしたら思い留まらせることも出来たのかもしれない。
無力な私でも話を聞いてあげることは出来たのだと思う。
とても残念でならないけれど起きてしまった事はもう取り返しがつかない。
芸能界でも自死が相次いでおり心の悩みを抱えている人が多い。
ふと息子のお嫁さんの事が頭を過らずにいられなかった。
我が子にも会えずどんなにか前途を悲観していることだろう。
息子には時々電話があるらしいけれど決して明るくはないと言う。
「帰りたい」とも言わないそうですでに諦めている様子が窺える。
気長に養生すればなどと言えばそれは気休めにも等しい。
どんなにか辛い日々を送っていることだろうか心配でならなかった。
かと言って私から電話するのも躊躇われ何もしてあげられないのだった。
今夜は息子が深夜勤でそろそろけい君を連れて来る頃。
明るく笑顔で出迎えてあげるのが私の務めだと思っている。
命あってこその未来。命あってこその希望ではないだろうか。
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