朝から青空が広がり爽やかな晴天となる。
風薫る五月とはよく言ったもので清々しい風が心地よい。
薫っているのは新緑だろうか。それとも潮の香だろうか。
川仕事をしていると海がすぐ身近に感じられる。
今日は竹杭に付着している藤壺をこそぎ落としていたら
魚(チヌ)がすぐ近くまで寄って来てなんとも可愛らしかった。
まるで人慣れしているかのように逃げようとしない。
最初は一匹だったけれどもう一匹やって来て私のすぐ足元で
戯れるように泳ぎまわりついつい声をかけずにいられない。
じいちゃんが言うには藤壺の身を好むらしい。
沢山こそぎ落としたから格好の餌になったのだろう。
あやちゃん10歳の誕生日で今夜はささやかにお祝い。
ちょうどけい君も来ていて賑やかな夕食となった。
ケーキに10本の蝋燭。あやちゃんは照れくさそうに吹き消す。
そんな姿をけい君が少し途惑ったような顔をして見ていた。
おそらくけい君には経験が無く初めて見た光景だったのかもしれない。
不憫な気持ちはあるけれど良き経験だったと信じてあげたかった。
あやちゃんがもう10歳。本当にあっという間の10年だったように思う。
感慨深く思い出すことも多く過ぎ去った歳月も愛しかった。
反抗期もあったけれど今はとても素直で優しい子に育ってくれた。
そうしてまた歳月があっという間に流れてしまえば
もう少女ではなくなり成人したあやちゃんに会えることだろう。
そんなあやちゃんと指切りげんまんをするように
長生きをしなければとつくづく思ったことだった。
あやちゃん生まれて来てくれてほんとうにありがとう。
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