花曇りの一日。午後には少しだけ薄陽が射していた。
満開になった桜がそれはそれはきれい。
今がまさに春爛漫だと言えよう。
散り急ぐことなかれと手を合わせつつ桜を仰いでいた。
帰り道の県道で珍しいお遍路さんを見かける。
思わずブレーキを踏んだけれど後続車があり停まれなかった。
親子にも見えたけれどお祖父ちゃんとお孫さんだったのかもしれない。
小型のリヤカーを引いており荷台に5歳くらいの男の子が乗っていた。
しっかりと白装束を着ておりすぐにお遍路さんだと分かる。
男の子は髪を刈り上げていて上の方だけ髪の毛があった。
まるで「子連れ狼」の大五郎のような髪型をしている。
ちょうど桜並木の下を歩いており絵のような二人であった。
通り過ぎてから声をかけるべきだったと悔やまれる。
車をUターンすれば近くまで行けたのにと残念でならない。
おそらく区切り打ちのお遍路旅であったことだろう。
小さな子供を連れての通し打ちはとても困難に思えた。
私の想像はふくらみ二人は四国内に住まいがあるのではとか
5歳位に見えたけれど一年生かもしれないとか
学校が春休みだからお遍路に出たのかもしれないと思った。
それは声をかけてさえいれば分かる事実だったのだろう。
とにかく残念でならず今もって後ろ髪を引かれるような思いでいる。
この時期のお遍路は「桜遍路」花に寄り添う旅なのだと思う。
日が暮れるまでに無事に延光寺さんに着いただろうか。
まさか野宿ではあるまいと考え出したらきりがない。
晩ご飯ちゃんと食べたかしら。お風呂にも入ったかしら。
明日は伊予路に差し掛かることだろう。
ただただ旅の無事を祈る事しか出来ない。
声もかけてあげられなかったおばあちゃんを許して下さいね。
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