3月とは思えないほどの暑さとなりとうとう夏日を記録する。
季節はずれと言って良いのだろう。週間天気予報を見ていると
彼岸の入りの頃には平年並みの気温に戻るのだそうだ。
ちょうど桜(ソメイヨシノ)の開花も予想されており
「花冷え」の日もあるだろうと思われる。
寒との別れもあるのが季節のけじめなのではないだろうか。
仕事は朝のうちに郵便局へ行ったきりで他には特になし。
まるで高卒で初就職した本屋さんの頃のようであった。
後ろめたさはあったけれど店番をしながらひたすら本を読む。
来客一人のみ。電話も全く鳴らない静かな一日であった。
ふとあの頃を思い出す。本はいくらでも読み放題であったけれど
たまに所長が営業所に居る時もあってさすがに読書とはいかず
世間話をしたり時には昼食をご馳走してくれることもあった。
営業所のすぐ隣に食堂があり私はよく親子丼を食べた記憶がある。
所長は本当に気さくな人で何事にも親身になってくれた。
結果的に裏切るようなカタチで退職した事が今でも悔やまれる。
健在ならば80代の後半だろうか。顔ははっきりと憶えているけれど
再会する機会もなく悪戯に時が流れていくばかりであった。
「過去」という一言で私の人生は語りきれないけれど
一期一会があったからこそ今の私が存在しているのだと思う。
「帰りたい」と思ったことは一度もないけれど
記憶はいつまでたっても私の元から去ろうとはしないのだった。
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