晴れのち曇り。陽射しのない午後は少し肌寒かった。
裸木ばかりだった山里に柳の新芽が出て来る。
若い緑がしなやかに風に揺れるのを見ていると心が浮き立つようだ。
たくさんある木々のなかで柳はいち早く春を知らせてくれることを知る。
今朝はけい君を学校へ送って行ったじいちゃんが
遠足であることを知らせてくれたけれどお弁当が気になってしょうがない。
そうしたら「お母さんが作ってくれた」と嬉しそうに言ったそうだ。
お嫁さんの体調が落ち着いているようでほっと胸を撫で下ろす。
けい君が不憫でならないといつも心配ばかりしているけれど
お嫁さんも精一杯に努力しているのだと思う。
無理をさせてしまったのかもしれないけれど
けい君の笑顔に救われたのではないだろうか。
日暮れ間近のこと某SNSに母のお雛祭りの様子が発信されていた。
施設のある病院のアカウントで先日からフォローさせてもらっている。
まさかこんなかたちで母に会えるとは思ってもいなかった。
職員の皆さんの計らいにはひたすら感謝しかない。
女雛に扮した母の楽しそうな笑顔に思わず目頭が熱くなった。
コロナ禍で面会が叶わないけれど諦めてはいけないのだと思う。
今後もきっと笑顔の母に会えることだろう。楽しみでならない。
昼間には母の旧知の友人から電話があった。
母の携帯電話の番号を教えたけれど無事に繋がっただろうか。
確かめてはいないけれど笑顔で語り合う母が目に浮かんで来る。
私は薄情な娘を貫きながらも母とのささやかな距離を保っている。
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