「お雛まつり」桃の節句でもある。
我が家は一昨年からお雛様を飾らずにいるけれど
孫たちに乞われることもなくそれを都合よく受けとめている。
床の間のある日本間はもはや物置部屋と化しており
とてもお雛様を飾るようなスペースはなかった。
おまけに40年前の娘の初節句のもので
孫たちには新しいお雛様を買ってあげられなかったのだ。
それでも孫たちの健やかな成長を願わずにはいられず
せめてもと思いショートケーキを買って帰る。
娘と孫たちにと3個だけで私は我慢することにした。
一足遅く帰って来た娘が冷倉庫を開けて「おお!」と声をあげる。
娘もショートケーキを買って来たのだそうだ。
4個買って来たと言うので思わず「おばあちゃんも女の子だもんね」と
単純な私は嬉しくにっこりと微笑んだのは言うまでもない。
しかしそれは大きな勘違いだったと後になり知った。
娘はあくまでも家族4人で食べようと思い買って来たのだそうだ。
7個もあるのだから食べればいいじゃんとそっけなく言う。
私はその時女の意地に目覚めた。絶対に食べるものかと思った。
食べ物の恨みは大きいと言うけれどそういう次元のことではなく
娘と孫たちにと思って買ったケーキが憐れでならないのだった。
なんだかその心遣いがないがしろにされたようで悲しくなる。
たかがケーキ。されどケーキであろうか。
偶然の事だと言えケーキには罪はないだろう。
あやちゃんが「おばあちゃん明日も食べるけん」と言ってくれる。
ほんとうに優しい子に育ってくれたものだ。
|